ろんりーがーる (阿部) | ナノ

□待ってろ



隆也が合宿に行って一週間
流石に電話はないけれど、
メールは夜にくれている。
いつも似たような時間帯に
来るから今日ももうすぐか
なあと思っていると、電話
が鳴った。


「もしもし?」
「おう、俺」
「隆也!」


知らない電話番号に
戸惑ったけど、出て
みたら隆也で合宿場
からかけてきたみた
い。


「わり。今、充電切れて電話した」
「そっか、」
「元気そうだな」
「うん。隆也は疲れてるよね」「そーでもねえよ。」


久々に聞いた声に
どきどきしてしまう。
隆也は練習で疲れている
せいか、眠たそうな声を
していて普段より少し低
かった。


「眠いでしょ」
「まあ、」
「明日もあるから今日はもういいよ」
「そうか?」
「声聞けただけで嬉しいよ」


あんがとと嬉しそうに
言う声にじゃあねと電
話を切ろうとしたら
あのさ、と隆也に止め
られた。


「ちゃんと、待ってろよ」
「うん」
「浮気すんなよ」
「ばか、」


隆也の冗談で互いに笑った
隆也なりに私の寂しさを紛
らわそうとしてくれたんだ
気を使わせてしまってごめ
んね、ありがとう。と囁い
た。


「なにが?」
「あ、ううん。なんでもない」

電話を切ってもまだ
彼が言ってくれた待
ってろが頭の中でル
ープしていた。会い
たい気持ちが加速す
る。



待ってろ


20110528.

title:確かに恋だった





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