俺のキューピッド活動が 終わって次の日。俺もや っと肩の荷がおりたなと 思うとあくびが出た。い つもよりゆっくりめに登 校してきた田島はアイツ と手を繋ぎながら教室に やってきた。 「朝から熱々なことで」 「泉、はよ!んな顔すんなよー」 「泉、おはよう。」 田島と手を繋ぎながら 恥ずかしそうに俺に挨 拶をしてくれる。 頼むから、そんな顔で 挨拶すんな。抑えた感 情がまた復活しそうで 怖い。朝から胸やけし そうな表情を見てシャ ツをきゅっと握った。 「なーなー、泉」 「んだよ?」 「こいつがなあ、もうさ、 んで、かわいーんだよ!」 ゆうってば、やめてよと 控え目に田島を止めよう とするコイツ。てか、も う名前で呼んでるんだと 思うと少し苛立つ。 「だーあぁ!田島よう、 惚気は他所ででやれよっ」 「泉がオコッタ!!」 冗談混じりで言ったつもりが 本人達には本気っぽく聞こえ たらしく、田島はアイツの手 を引いてどこかへ行ってしま った。 これで良かったんだ。 俺はちゃんとキューピッド をしたんだよな。自分の中 で芽生えてしまった感情に ずっと気づかないふりをし ていたけど、俺はいつの間 にかアイツのことが好きに なっていたんだ。 伝えることもないけどな 何となく、水谷と栄口に 会いに行ったらすでに田島 達が惚気に来ていた。 俺の心のモヤモヤは晴れ ないまま。 惚気は他でやってくれ 20110516. ←→ |