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いずみ先輩か、
ふと、先輩のことを思った。

笑顔がきらきらして、
優しい人で素敵なんだよね。

なんて、ボール磨きながら思っていると
ひとつの足音があたしの後ろで止まる


「うっす、はえーな」


転がっていたボールをひょいと
拾いあげあたしに軽く投げてくれる


「っと、先輩も早いじゃないですか」


とボールを慌てて受けるとちょっと
付き合えよと投げるまねをする
先輩にはい!と頷きボールを投げる


「へー、結構上手いじゃん」
「ありがとうございます!」


先輩に褒められるなんて嬉しいし
キャッチボールまでしてるなんて
幸せなんだろうなんて考えてると
いずみ先輩が叫ぶ


「っばか!」


え?と言う前にボールが
あたしの顔面に見事にヒットした


「った・・・」
「ぼけっとしてるから」
「すいません」
「大丈夫か?」


顔を抑えてるあたしの手をどけて、
先輩が覗き込む


「少し腫れてるから冷やすか」
「・・・はい」


先輩が腫れたとこを見てくれる
自然と顔も近くなるからどうしたら
いいか分からないでいると


「ちょっと待ってろ」
「はい」


どうしたんだろうと待っていると
先輩がタオル濡らして来てくれた


「つめてえぞ」
「ん」


タオルを渡してくれると思っていたら
先輩がタオルを当ててくれた


「・・・先輩」
「ん?」
「ありがとうござます」


もう大丈夫ですと笑ってみせると
悪かったなとぐしゃぐしゃに
頭を撫で、先輩は笑った

撫でられた感覚が忘れられなくて、
顔から火がでそうになる。


「じゃ、練習行くな」
「はい!頑張って下さい。」


おう。と走って行く姿を見送ると
あたしの胸はきゅうっとなった



あ、これが恋なのか


(あたし、熱いよ。)
(あいつ何かほっとけねーんだよな。)

20100218.

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