端午

文貴の家にお邪魔した
ママさんから歓迎され
後で柏餅を部屋に持って
行くからねと嬉しそうに
笑った。
文貴はというと、なんだか
照れ臭そうに母さんもう
いいから!なんてリビング
へ押し戻そうとしていたから
なんだか可笑しかった。


「部屋、意外ときれいだね」
「意外とって・・・」
「いやなんか、もっとごちゃごちゃあると思ってたから」
「え、そんなイメージだった?」
「まあ、」


なんかちょっとへこむぞ
とむくれる文貴は可愛く
て鼻をつまんでやった。
意外に綺麗な部屋を見渡す
と音楽雑誌やら、CDがた
くさんある。ラックの隅に
アルバムらしきものを発見
して手に取る


「ねえ、文貴」
「これって、アルバム?」
「うん、見る?」
「見たいっ!」


開くとちっちゃい頃の
文貴の写真がたくさん
あった
どれも可愛くてにやけ
てしまう。


「あ、これ端午の節句の時だ」
「こいのぼり持ってるね」


そうなんだよーと
懐かしみながら私に
話し始めたところへ
ママさんがちょうど
良く柏餅を持って来た


「たくさん食べてね〜」


あらあら文貴の端午の節句
の時じゃないとニコニコ笑っ
てそれじゃあごゆっくり〜
とそれだけ言って出て行った


「なあ、さっきから顔緩みっぱなしなんだけど?」
「そう?ちっちゃい頃の文貴可愛いから」
「今は?」


何言ってんだと今度は
両頬をつまむ
片手で柏餅にかぶりつく



端午


(ああ、柏餅おいしい)

20110522.










×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -