木枯らし


強い風が私の体を
ひんやりと冷たくする

ここ最近になって
冷たい風が吹くようになった

一歩前を歩く文貴は振り返り
私にさみーねと言って私の手を握った


「ふみき、あったかい」


文貴が私と歩幅を合わせて
しかも手を繋いでくれた
ことが凄く嬉しかった
マフラーで口元が隠れてて
良かった。だって今、絶対
にやけてるもん


「そっかあーよかった」


嬉しそうな顔して
私の手をそっと握り直す


「そうだ!」
「なあに?、文貴」
「今度は二人でひとつのマフラーしよ!」


いきなり大きな声で言い出すから
何だと思ったら
二人でマフラーね、
そんな長いマフラー・・・
私が編むしかないじゃない


ふあ、とマフラーの中で
息を吐いた



木枯らし


(その前に手袋だよね)
(手袋はダーメ)
(なんで)
(だって手繋げない)


20101129.











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