LikeじゃなくてLove




眠たくなる英会話の時間
今日はいつもと違う席に
座ったので何だか眠くない
しかも隣が田島だから

普段なら頬杖なんてついて
ぼけーっと受けてるんだけど
妙に胸が落ち着かない
とくんとくんと早い音が聞こえる

隣の田島はというとにこにこ
として私の方を見ている


「なあなあ、先生が隣の人と会話しろってさ!」
「あ、うんっ」


英会話の時間は毎回
隣の人と英語で自由に
会話する時間になっている

田島と向きあって会話を始めようとする


「俺、言いたいこと言ってみていい?」
「うん、いいよ」


私がそう言うと
英会話が苦手な田島は
嬉しいそうに笑った


「I like you!」


少しどきりとした
田島がうーんと唸った


「違うな」


田島は思いついたように
表情を明るくさせる


「I love you!」


多分田島が知ってること
言っただけなんだよね
なに頬熱くなってんだろ
と冷静を装う


「あれ、なあ!返事は?」
「あ、うん」
「マジなんだけど、俺」


私の返事を待つように
田島は耳をすましている


「・・・私も」


英会話の時間ってことも忘れて
つい日本語になってしまった
田島は笑って英語で言えよーと言った


「あ、ごめんっ」
「ふはっ、でもすげー嬉しい」


俺、ずっとお前のこと
好きだったんだ知ってた?
と照れ笑った

その言葉に私の頭から湯気が
出そうなくらい幸せを感じた



LikeじゃなくてLove


(なあ、愛してる)
(あれ?固まっちまった)

20101207.




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