ついに明日。
12月24日、クリスマスイブ。
机の横に引っ掛けてある袋を見つめる

結局、誘ってない
そんな勇気ないよ


「はあ」


だって田島は
結構人気あるしなあ
ちらっと彼を盗み見ると
やっぱり女の子に囲まれてる
あれじゃ、話掛けられないしね

帰ろう
最後の仕上げをして満足して
自分でつけちゃえばいいし


田島の後ろ姿を見て
ガタンと椅子の音とともに
袋を握りしめた


下駄箱で足を止めた目の前には
田島とかかれた上履き

びっくりして顔をあげると本物がいる


「え!?」
「先回りした!」


へへっと笑う田島は
少しだけ息を切らしていた
追いかけてきてくれたの
かと思うと嬉しい


「でも、どーして?」
「そのマフラー誰に作ってんだ?」
「・・・え」


何でマフラーって知ってるの
その前に誰にあげるかなんて言えないよ


「もしかしてもうあげる奴いんのか?」


あたしの返事を待たず
いきなり田島は言った



明日の予定は?


(あるわけないよ)
(あなたのために空けたから)

20091224.
加筆110526.



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