浴衣なんて何年振りだろう。
久しぶりに母さんに着付けして
もらって、気分は上昇中。
下駄をカタカタと響かしながら
向かう先はお祭り。


「ふう」


久々に着る浴衣はちょっと
締め付けられて苦しいけど、
でも背筋がピンと伸びていい


「はえーな」
「そんなことないよ」


目の前には大好きな悠が手を振る
浴衣姿をまじまじと見て笑顔に
なって両肩をつかまれた


「かわいー!」
「えへへ、ありがとう」


ほっぺが熱くなって空を
見ながらパタパタと手であおぐ
悠がこちらを見て、手つなご!
と笑って手を握った


「なあ、どっから回る?」
「うーん」
「俺、ヨーヨーんとこ行きたい」


悠はヨーヨーのお店に着くと
目をきらきらさせた。


「おっちゃん、はい50円!!」


お金を渡してあっという間に
一個ひょいと黄色のヨーヨーを
取るとこちらを向いた。


「何色が欲しい?!」
「ピンクがいいかな」


ゲンミツに任しとけ!と言うと
ひょいと軽々と取ってしまう。
もちろん色はピンク


「ほいよ」
「ありがとう」


受け取ろうとする私に悠がまった!
手出して。そう言うから手を出すと
ヨーヨーを付けてくれる。


「おっけー」
「じゃあ、悠も手出して」


私も悠と同じことをすると、
何か指輪交換みたいだねと笑った。



水風船


(いつか本物の指輪で)


20090806.
加筆110524.



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