今あたしは目の前のちくちくと裁縫を
やっている彼をじっと見つめてはため息


「ねえ」
「今、針使ってる」
「ねえー」
「危ないから話しかけんなよ」


むー
ここ何日か浜ちゃんと
まともに会話してない
いつもああだから

野球部の応援が近いんだって
忙しいのも分かるけど
ほっとかれるのもつまんない!


「むー」
「・・・」


集中しすぎて周り見えてないねこりゃ
あたしが近づいてるの
気がついてないんだもん

それにしても男の子が裁縫とか
凄いよねと今更感心してる
あたしも何か手伝えればいーんだけど
裁縫なんて得意じゃないと落胆する


「あともうちょっとだ」
「やっぱ浜ちゃんは凄いね」


って言うと浜ちゃんは
照れたようにはにかむ
そしてまた針に集中する


「あたしあこがれるな」
「なん・・いてっ」


びっくりして浜ちゃんは針を指に刺す
あたしは慌てて絆創膏を貼ってあげた


「さんきゅ。てか、あこがれって?」
「うん、裁縫が出きる浜ちゃんに」
「別にさ裁縫できなくても俺はいいと思う」
「なんで?」
「なんつーかその、俺がずっと
裁縫くらいやってやるし」


あまりにも顔を真っ赤にして
言うからこっちまで赤くなる
てか、何その分かりにくい言い方!


「・・・じゃあお願いします///」



憧れから好きへ


(憧れとかじゃなくて、)
(俺をもっと好きになってほしい)
(もう、好きだよばか)

20080829.
加筆110322.


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