部活練習してたら遅くなって
しまった。私は吹奏楽部でト
ランペットを担当している。

部活が終わるといつも私は
野球部のグラウンドを通る


「お疲れしたっ!」


たくさん運動したあとなのに
凄い大きな声で挨拶するみんな
を眺める。もちろん悠一郎しか
見えてない。

ぼーっと眺めていると
見慣れた姿が近づいて
きて手を振った。


「今帰り?」
「うん」
「んー、じゃあ待ってて!」


毎日こうやって私を見つけると
必ず声をかけてくれて、一緒に
帰ってくれる。ああ、なんて幸
せなんだろうとこれもいつも思
っている。


「行くかー!」
「うん」


いつも悠一郎は自転車を引いて
私が部活で遅くなった時は、二
人して家まで送ってくれる。


「いつもありがとね」
「なにが?」
「送ってくれて」


お礼を言うと当たり前だろ!と
笑顔で言うと急に真剣な顔になって


「それに少しでも長い時間一緒にいたいしな」


その言葉を言い残して
そのままじゃあな!と
猛スピードで逃げていった。
言い逃げはずるいよねと熱
くなる両頬を抑えた。

今日、眠れるかな



帰り道


(私達の関係は幼馴染以上なの?)

20090522.
加筆110523.



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