「っしゃあああぁ!」


皆疲れも忘れて喜んでるのは、
たった今終わった試合に勝ったから

勝ったという実感も沸かないまま、
悠一郎の元へ駆け出していた。
熱い熱い試合だったんだと今思い
返しても興奮して、じわりと汗が
出た。


「悠一郎!!」
「ゲンミツに勝ったぜ」
「優勝おめでとう」


優勝したことが嬉しくて、
泣きそうになるのをこらえる


「おう!」
「悠一郎きらきらしてた。」
「にしし、そーか」


顔に土が付いたまま
いつもの笑顔を私にくれる
顔についている土をはらって
あげた。


「あのさ、悠一郎」
「ん?なに、ご褒美か!」


違うよ。そう言うと悠一郎は
勘付いたのか私の手を握り
ちょっと待って。俺に言わせて!
と叫んだ。


「お前のこと好きだ」
「私は大好き。」


お日様のように笑って
悠一郎が思い切り抱きしめる
両想いだったんだねと嬉しく
なり涙がこぼれた。


「泣くなよ。俺は嬉しくてにやけるぞ」


その一言に笑った。


「そーだよ、笑え!」


抱きしめる力が
更に強くなった。



直球勝負


(最高の日だった)

20090521.
加筆110523.



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