「さっむーい!」
「やばいな」
「てか、浜ちゃんトナカイとか似合いすぎっ」


耐え切れなくてあははと笑うとひでーなと
冗談交じりに言った。だって鼻の頭が真っ赤
でほんとにトナカイそっくりなんだもん!

そんな私達は今バイトで私はサンタの
カッコして外でケーキを売ってます。


「サンタのおねーちゃん!ケーキひとつください」
「はい、どーぞ!」
「サンタのおねーちゃんありがと!」
「どういたしまして♪」


小さい女の子に手を振って


「てか、浜ちゃんあったかそうだねー」
「お前はミニスカだもんな」
「浜ちゃんは全身きぐるみだもんねー」


羨ましいー!とカイロを握りしめながら
言ってふと前を見ると


「・・・!悠一郎」
「田島じゃん」
「よ、二人ともバイトしてるとか知らなかった!」


いつもと変わらない笑顔で声をかけて
くる悠一郎に私は何も言えなかった。


「んじゃ、バイト頑張れよ!」
「おーじゃーな!」
「・・・あ」


なんて声かけていいか分からなかった
やっぱ、いつもの悠一郎じゃない
私の顔一度も見なかった・・・

ただ私は悠一郎の後姿を見ることしか出来なかった



寒空の下であなたはあたし達を見ていた


(いつも一緒で、)
(いつもお互いを見てきたのに)
(あんな表情初めて見た)

20081226.
加筆:110514.




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