目の前に広がる海
真上には空
隣には大好きな彼


「んー最高!」


ばたんと砂浜に倒れると
水谷があわあわとして服
汚れるよーと私の手を掴
んで起こしてくれた


「みーずーたーにー」
「なーんーだーよー」
「ばーかー」
「ひーでー!」


こんなやりとりをしていたら
可笑しくなって笑ってしまった
私から始めたのにね。だって水
谷が勝手に起こすんだもん

潮風でワンピースが揺れる
その拍子に水谷があっ!と声を出す


「なに?」
「ワンピース、砂いっぱい」


にっこり笑うと水谷は
ワンピースについた砂を
はらってくれた

少し、少しだけ顔が熱を
持った。あああ、熱い


「へーんーたーいー」
「えええー!」


冗談を言って
しょんぼりする水谷に
私はにっこり笑うと
水谷も笑ってくれた

ざぶーんと波の音が
私のどきどきを消す
ように大きく聞こえた



海は広いな大きいな


(潮の香りが好き)

20100824.
加筆110412.



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