自転車に乗ってのんびり走る
横を見ると川、上を見ると
空。太陽に目を細め
青空に見とれた

目の前にはグラウンド
野球少年がたっくさんいる

今日もほら、あれ?


「いずみ?」
「おーお前何でいんの?」


野球少年に混じって
同じクラスの泉がいた
気がついたら自転車を止めて
話しかけていた


「私はのんびり自転車で走ってたら、
泉がいて中断したの」
「ざっくりしてんな」


私が今してたこと言ったら
泉がそう言って可笑しそうに笑った


「で、なんで泉がここにいるの?」
「ああ、俺はコイツらに野球
教えてたんだよ」


泉の周りにいる泥だらけの
少年がニシシと笑って
泉にーちゃん早くやろうと
泉のユニホームをひっぱる


「泉ってスゴイんだね」
「いや・・・(こいつこんなふわっと笑うんだ)」


そういうと泉は照れたのか
少年達と練習を始めてしまった
しばらく泉のスゴイとこを
見ていようと自転車を引いて
フェンス越しにグラウンドを見渡す


「打つときはもっと腰を低く」
「さっきの球はもっと良く見れば取れるよ」
「もっと自信もてよ!」


泉の熱い声がグラウンド中に響く

あれからどれくらい経っただろう
帰ることも忘れ、私はまるで電流が
走ったような感覚を覚えた
ずっと泉を見ていた

あんなにキラキラしてる
泉、初めて見た
心臓がものすごくざわつく
あの子達に一生懸命で楽しそうで
それだけ野球が好きなんだなって分かった

野球してる泉って
もの凄くかっこいい



わずか、0.2秒。


(びびびと恋に落ちた)

20101211.
加筆110406.


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