春に比べてだいぶ暖かくなった
ものだからさっきから欠伸が止まらない

新学期が始まって、一ヶ月半くらい
経った泉とはクラスが離れてからは
全然話してない。いつも当たり前だ
って思ってたけれど、離れちゃうと
寂しい。泉も同じこと思っててくれ
てたらいいななんて。目の前を見たら
泉がこっちへ向かってきた。


「よっ」
「久しぶりだね」


軽くあげられた手がそのままあたしの
頭にぽんと置くと泉が小さく笑った
そんな泉に、どきっとした


「本当、すげー久々な気がする」


頭に乗せられた手がするりと
下がって、髪をそっと触られる
少し、少しだけだけどいつもの
泉じゃないみたい。なんだか
ドキドキする。


「い、ずみっ」
「髪のびたな」


そう言うと指に髪を
絡ませてくるくるとする
自然と見つめる形になって、
泉は目を細めて微笑んだ

泉、いまどんな気持ちなの
私は今までにないくらい
泉の特別になりたいと思ったよ



あなたの特別になりたい


(このまま、時間が止まればいいのに)

20100523.
加筆110406.



×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -