夏休みももう終わるけど
今年の夏も文化祭に向けて
ひたすら吹奏楽部に打ち込んだ
少人数だからコンクールには出るこ
とを許してくれない先生は出たい
なら部員を集めなさいと言われた

そう言われた私達は部員
募集のポスターを書いた
これから校内に貼りに行く

手に持っているみんなで書いたポスター
を見て、部員集まるといいなと笑う


「お、吹部?」
「あ!花井先輩っ」


階段を上がり終えて
息を整えようと立ち止まっ
たら目の前に先輩が現れた


「今日練習は?」
「やってますよ」
「お前は出ないの」
「部員募集のポスター貼りに来たんです」


そう言うと熱心なんだなと笑
う先輩にとくんと胸が鳴った


「俺も手伝ってやるよ」
「先輩部活ないんですか?」
「ミーティングだけなんだ」


手に持っていたポスターを
何枚かとると先輩は上の階も
貼っていいよなと上に行ってしまった


「先輩、やさしいな」


思わず声に出て急いで
口を押さえながら周りを
見渡す

誰もいなくて良かった
ほっと息を吐く


私がポスターを貼っていると
貼ってきたぞと階段を下りてきた


「手伝ってもらってありがとうございます」
「部員増えるといいな」


はい!と言うと
大きな手が私の頭を撫でてくれた


「演奏楽しみにしてっから、頑張れよ」
「はい!」


じゃあ気をつけて帰れよと軽く
手をあげる先輩にお辞儀をした
深く息をつくと撫でられた
頭が妙に熱かった



ねえ、先輩


(先輩後輩じゃなく)
(それ以上はありですか?)

20100829.
加筆110325.



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