あたしは今、埼玉にいる
一年振りに来た梓ん家の前で足を止める


実は本人には内緒でおばさんしか
来ることを知らなかったりする

びっくりさせてやるんだと
ひとりでへへっと笑う
携帯を出して梓の番号に
電話をかけるとすぐに出た


「おう」
「久しぶりだね」
「最近連絡ねーからどうしたかと思った」


久々に声を聞いて嬉しくなって
早く会いたいという感情が溢れ出す
のと同時に梓はどんな顔をするかな
と考えたら笑いそうになった


「ごめん。ねえ、あずさ今日は
ね凄く空が綺麗なんだよ」
「へえ、俺んとこはどうだろう―」


梓の部屋の窓が開く空を見上げると
電話からとすぐ傍で声が二重に聞こえる
あたしは何も言わずに梓を見つめる


「俺んとこも綺麗だ」
「・・・」
「ん、どした?」


応答しないあたしに梓が慌てる
下で見てるあたしは笑う
気づかないならと電話を切って


「あーずーさ!」


外から聞こえる声に梓が
反応して身を乗りだす


「え、なんで?!」
「えへへー来ちゃった」
「すげーな」


何がと首をかしげる


「い、いや」
「なによ」
「だから!お前が家にこねーかな
って思ってたら本当にきたから」


言わせんなよこんな恥ずいこと
顔を真っ赤にして梓はぽりぽり頭をかく


「そうなんだ!確かにすごいね」
「おう、つかまあ上がれよ」
「うん」



花井家こんにちは!


(あずさ、また背伸びた?)
(まあ3センチくらい)
(そ、そんなに?!)
(大して変わんねーだろ?)
(3センチは大して変わるって!)

20090815.
加筆110323.



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