おお振り(短編) | ナノ









「なあ、あいつ誰なんだよ」


登校して早々田島が不機嫌だ。
机に伏せ片目だけ私を見る。
田島が不機嫌になることをした
っけと考えても検討がつかなくて
困り果てる。


「誰って?」
「昨日、長身男と歩いてたろ?」
「・・・あっ」
「やっぱそーなんだ!」


俺意外の男と歩くとかありえねえ!!!
とぷんすか怒る。
私が男の人と歩くなんてめったにない、
でもあるとしたら、お兄ちゃんくらい。


「そうだよ。」
「お前、ああいうの好きなんだ」
「好きもなにも、私のお兄ちゃんだもん。」


聞き耳を立てていたいずみんと浜ちゃんは
ふたり顔を見合わせて笑うのを必死に耐えていた。


「なーんだ、にーちゃんか!!」
「・・・・・・」


私のお兄ちゃんだと伝えたとたん
の田島はケロっとして、ケラケラ
笑いだす。本当、いい性格してるよあなたは。



数分間のジェラシー


(俺はもう妬いたりしないからな!)

20121129.
田島にジェラってほしい







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