おお振り(短編) | ナノ








夏休みということで、久しぶりに
小学生の時のクラスメイトから連
絡があって同窓会に行くことになった。

場所は通っていた小学校。先生にも
連絡を取ったら担任も来てくれるとか。

私はみんなに会えると思うと嬉しく
て仕方がなかった。
お気に入りのワンピを身に纏い
最近買ったサンダルを履き小学校へ


「みんなホント久しぶりだねー!」
「なおちゃんは変わらないね!」
「ゆいこだってー!」


久々に再会した友達はみんな女子力
が高くて、でも、中身は本当にあの
時のままでちょっと安心した。


「あ、男子たちきたよ!」
「ほんとだー。」
「そういえば、あんた、あのそばかすくんとどーなの」
「え、だって小学校卒業以来連絡取ってないよ??」


そばかすくんというのは私の初恋の人
田島悠一郎くん。そっか、今日、久し
ぶりに会えるんだ・・・。なんだか緊張
してきた。その前に向こうが覚えて
なかったらショックだなあ。そしたら
私どんな顔してればいいのかな。


「あ!ほら、田島君いるよ!」
「え?ど、どこ?」
「全然変わってないからいけばわかるって!」
「えっわわわ!」


友達に思いきり背中を押され振り向くと
ウインクする友達に少し苛立つ。


「お!相変わらずだなお前!!」
「あ、あの久しぶりた、田島くん」
「ヨカッタ!覚えてたかー。」
「忘れたことなんてないよ・・・!!」


ニシシと笑う顔に懐かしさとどこか
大人っぽくなった表情にどきりとした。
そして、私は自分で言った言葉に口を
慌てておさえた。


「あはは、それって期待してイーの?」
「え、え!?」
「ホント変わってねーな。オモシレー」
「田島君もね。」


嬉しそうに笑う田島君にまた
どきりとしてしまう。


「あ、そーだ!今度どっかいこーぜ?」
「うん!みんな予定合うかなー」
「ちげーよ、ゲンミツに二人で!」
「え!!!」
「いやか?」


眉を垂らしてシュンとする田島君は
子犬みたいで・・・じゃなくて、、
こ、これはつまり・・・



デートってことですか?!


(どきどきが止まらない!)

20120726.







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