バレンタインデーの思い出は?



「質問は澪さんからいただきました。どうもありがとう」
「バレンタインデーの思い出か…何年か前に、怜宛にトラックがチョコの山を運んできた事があったよな。ああいうのって本当にあるんだなと思った」
「ありがたい事に毎年、ファンの子からたくさん貰っているんだけど、手作り感溢れる可愛いものだったり高級店の袋に入っていたりして、申し訳なくなるんだよねえ。一人一人にお礼出来ればいいんだけど」
「一人一人に返したくても返せないのは、ある意味芸能人の悩みだよな」
「そうそう。一応、毎年ホワイトデーに事務所の全タレント総出で感謝祭をやっているけれどね」
「ネット配信もしてるけど、仕事や用事で観られない人も居るみたいだし…出来れば全員に観て欲しいよな」
「うん。だからおれは、自分を応援してくださっている全ての方々に感謝しながら毎日仕事しているんだ」
「何が『だから』なのかよく分かんねえけど…いいやつだな、おまえ。何かうるっときた」
「ふふふ」

「ところで、泉のバレンタインデーの思い出は?」
「…思い出っていう程の思い出がないな。普段から甘いものをあんまり摂らねえようにしているせいもあるけど」
「でも、甘いものは好きだよね?」
「だからバレンタインデーとかクリスマスは苦痛なんだよ…周りのやつは皆、チョコだケーキだって騒ぐし…」
「思い出というよりは現在進行形で起こっている事だね。可哀想に…」
「同情するなら自重しろよ!周りっておまえも入ってるから!」

「…こんな感じかな。ありきたりと言われればそこまでかもしれないけれど」
「『バレンタインデーに好きな女の子からチョコを…』みたいなのを期待してたらごめんな」
「多分そっちだよねえ、おれが澪さんならそっちが聞きたかった」
「…とにかく、もっと詳しく聞きたいと思ったら更に質問してもいいし、突っ込みたかったら突っ込んでもいいからな」
「何だか卑猥だね、その言い方。ふふふ」
「そういう事を考えるおまえが卑猥だよ。…あーもう、収拾つかなくなったじゃねえか!澪、質問ありがと。突っ込みはいつでも歓迎してるからな」



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