お互いの第一印象は？



「質問は志木葉月くん、三郷律くんからいただきました。二人ともありがとう」
「初っぱなから質問が被ってんじゃねえか！」
「そうだねえ。これが初めて貰った質問だったし。でも同じ質問が来たって事は、それだけ気になる人が居るって事だね」

「…で、怜の第一印象か」
「ふふふ。気になるね」
「怜の第一印象は…癪な話だけど『ハンサム』だったな。こいつの同期として練習所に入所したやつはおれ以外にも何人か居たし当然先輩もたくさん居たけど、その中でも輝いてた」
「へえ、それで？」
「っつーか、自分と同じくらいかそれ以上に美しいやつってこの世に存在するんだなって思った」
「やけに褒めてくれるね。泉は自分にも他人にも厳しいところがあるから、嬉しいよ」
「うるせえ。…まあ、おまえは見た目はハンサムでも中身が残念だってのがすぐに分かったけどな」

「泉の第一印象はね…第一印象っていうか、初めて見た時は『女の子』かと思ったよ」
「俺は美しいから、まあ、そうだな。男か女か分からねえくらいに中性的な容姿を売りにしてるから」
「口を開くと、というか素が出ると男の子だなあって思うけどね」
「言葉遣いが悪いからな。よく詐欺って言われる」
「ふふふ。根は優しいし、そういう意味でも詐欺かもしれないね」
「…おまえ、今日はやたらと褒めるな。嫌いじゃないぞそういうの」

「こんな感じかな。回答になってるのか微妙だけど」
「おまえは『胡散臭いハンサム』で、おれは『口が悪く女みたいな男』か」
「何となく想像はついてた答えが出たね」
「まあそんなもんだろ」
「そうだねえ、改めて互いを知る事が出来てよかった。葉月くんと律、質問ありがとうございました」
「ありがと。質問の答えになってなかったらいつでも言えよ」