Comando di ricerca



レガーロ島

小さな事件はあるが
いたって平和な島

貿易島としても知られているその島には

その平和な街を守るために
カードと契約を交わした ある“ファミリー”があった。



「なぁ、ノヴァ。緊急って言って俺たち呼び出したりしてさ
いったい何なんだ?」



リベルタが、いま部屋に入ってきたばかりの彼に問う

部屋の中の人間が
一斉に彼を見た



「…全員いるな」



ノヴァと呼ばれた青い髪の少年は、部屋の扉を閉めると 内を見回した

だが、ひとりの少女がまだ
この部屋にいないことに気づく。



「おい、フェルはどうした」

「バンビーナかァ?」

「ルカちゃん、お嬢はどうしたの」



そう言われ、ルカと呼ばれた青年が
皆の方へ顔をむける。



「……ルカちゃん、なんつぅ顔してるの…!」

「大方、お嬢不足だろー」

「過保護」



ルカの顔は、正気がない
それほど青い顔をしていた

ゆっくりと立ち上がる。



「………フェリチータお嬢様は、お買い物に…出かけました」

「フェルがか?」

「…はい、私がお嬢様に頼んだんです。すこし誤算が生じてしまって…」

「自分で頼んどいたくせして、ショック受けてるのか、ルカ?」



リベルタが、ルカに問いた。
だがルカの頭の中はすでにフェリチータのことで、埋め尽くされていた。

やはり、自分で行けば良かっただの
私が一緒に行けばもっと良かっただの



「良くねェよ、何にも」

「…もう一度言うが、パーパからの緊急指令だ」



デビトがルカに罵声を浴びさせている中
ノヴァにより、話が再開された。



「近頃、このレガーロ島で多発している
連続婦女誘拐事件のことは知っているな?リベルタ」

「?……ああ、知ってるぜ。いまで確か五件目だったな。
つか、何で俺!俺だって一応諜報部の人間だっつうよ」

「いや、知っているなら別にいい」

「……俺のこと、馬鹿にしただろ」

「…………他意はない。話を進めるぞ」



ノヴァがリベルタから、
意味あり気に視線をずらした。



「…誘拐犯を洗い出し、幹部総出で捕まえろとパーパからおりた直々の指令だ」

「まぁ、そろそろ回ってくるかとは思ってたけどな。
被害者の女性も、全員ご帰還されてないっていうし」



レガーロでは、事件が少ない
まぁ、大きな事件になる前に
自警団であるこのアルカナファミリアが対処しているというのも
理由の一つなのだろうが。



「ていうか幹部総出?
俺今日ラッザーニア食べに行くって決めてるんだよねー」

「ラザニアなど、いつでも食べられる」

「俺は今日、ダンテと船に乗る予定なんだけどさ」

「船など、いつでも乗れる」

「いやいや、明日嵐かもしんないだろ」

「そんなこと僕には関係ない」



パーチェ、リベルタはノヴァにより
強制連行が決定する。

戦力外の今のルカに至っては、どちらでもいいらしい。

ノヴァは、デビトに話をふる。



「デビト、お前はどうだ」

「俺かァ………まあ、ここにいてもバンビーナはいねェからなァ」

「よし、では全員頼んだ。パーパに報告がある、終え次第僕も向かう」



会議が終わり、パーチェはデビトとルカの首根っこを掴んで
部屋の外へと連れて出た。

会議室には、ノヴァとリベルタだけが残った



「なぁノヴァ」

「なんだ?」



リベルタが、ノヴァに話しかけようとした
まさに、そのとき



「大変ですっ…!」



諜報部の人間がひとり
血相をかえて会議室の扉を勢いよく開け放った



「おー、どうかしたか?」

「お前、諜報部の人間か」

「はいっ………リベルタさんに、…幹部の、皆さんに、……」



その男は、息を切らし
よほど急いでいたのか、床に膝をついた。



「おい、大丈夫か?」

「大変なんですっ……赤い髪の、女性が………連続誘拐犯に…」



その男の言葉に、ノヴァとリベルタは
屋敷を飛び出した。



「おいっ、リベルタっ……待て!」



闇雲に走りだすリベルタを
ノヴァが止めた。



「感情で動いてしまうのは、お前の悪いくせだ」

「けど、もし…その赤い髪の女性が……」



あいつ、だとしたのなら。

危ない。

リベルタの言いたいことが
いまのノヴァには、手に取るように分かる。

彼自信も、似たようなことを
思っているからだ。



「お嬢のことじゃねぇよなぁ…!」

「分からない。だが…」




──





「あのルカだ、ルカ達だ。……これを聞けば、意地でも何とかする」



ノヴァの落ち着いた声に
リベルタも少し冷静さを取り戻した。

それを見たノヴァは
少し微笑んだ



「……パーパのところへ行くが、お前もくるか?」












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