ロングスカート



今日も一日お疲れ様でした。
体力を使う仕事を終え、俺は駅に足を向けていた。
明日は休みなのだ。
それを言っていないのに知っている臨也からの呼び出しで、新宿の通い慣れてしまった家へ行くのも、もう数え切れないほど。
最近は忙しくて呼び出しもなかったのだが、時間が出来たらしい。
久し振りの連絡に少し心躍らせながら、人が溢れる電車に乗って、俺は池袋を出た。




「やぁ、いらっしゃい」


もらった合鍵で入った先で、優しい笑顔で出迎えられる。
セーラー服着てるけど、あれ、これ臨也?
え、姉?妹?


「シズちゃん?どうしたの?」
「あぁ…、臨也本人か。お前がどうした」
「これの事?」


ピラリ、短いプリーツのスカートを持ち上げれば、白い太股が表れた。
パンツ見えるぞ、ってか見えた、フリルの付いたパンツが!
白いフリルが!


「これね、シズちゃんに着てほしいものがあったから、着てるんだよ」
「意味が分からねぇ」
「これ、着てくれないかな?はい」


ぽすん、渡されたのは、セーラー服。
上は臨也と同じ、赤いライン二本に赤いスカーフだが、スカートがやたら長い。
昔のドラマとかで見た、ヤンキーみたいな。
ほら、竹刀とか持ってるお笑い芸人もいた。
あれだよ、あれ。


「断る」
「言うと思った。だから俺も女装してあげたんじゃん」
「無駄な行動だったな」
「えー、着てよ!俺と違って、ちょーロングなんだよ?俺より恥ずかしくないでしょ?」
「ま、まぁ…」
「俺の方が恥ずかしい格好してあげてるのになぁ。シズちゃんが好きな店の限定プリンもあるんだけどなぁ」
「しょうがねぇなぁ」

俺も現金な男だ。



良く分からないなりに、臨也の前で着替えさせられた。
丈の短い上のセーラー。
その下は踝あたりまであるプリーツ。
自分の髪色もあって、完全に時代を間違えたヤンキーだ。
何故こんな事になったんだ。


「シズちゃん、スケバンの番長みたいだね」
「うるせぇなぁ。もう満足しただろ」
「え?満足するわけないじゃない。お触りがなきゃ満足できないよ」
「ぶっ飛ばすぞ」
「いいじゃんか。プリンあげないよプリン!ケーキもあるのに」
「…触るだけな」


相変わらず現金な男である。

臨也の様に短いスカートなら、足をすぐに触られるであろうし、そのままスルリと股間まで撫でられるだろう。
しかし今日は違う。
この長いスカートなら足を直接撫でられる事もないだろうし、急所を触られる事もないだろう。
案の定、スルスルと撫でるのは、短いセーラーから見える脇腹だ。
臨也が選んだ服にしては、安心できる。

そう、この時俺は完全に油断していたのだ。



「おっ、わっ!」
「あー、生地が割りと薄いからそんなに暗くないや。ちゃんと見える、良かったー」


バサリ。
素早くしゃがんだ臨也は、俺の長いスカートの中へと姿を消した。
咄嗟にスカートを押さえ、内股気味になるが、なんの効果もない。
暢気に喋った臨也は、中でごそごそ動いている。
俺からは姿が見えなくて、正直不安だ、何をされるのか分からなくて!



「ひ、うわっ、なに…?」
「え?太股舐めてる」
「なっ、何してんだ馬鹿!っぁ、吸うなっ…」
「んー?もっと上がいい?」
「うぁっ、あ…」


ちゅ、ちゅ、ちゅるり。
聞こえる音と、吸われ、舐められる感触。
長いスカートで見えないが、徐々に口が上へと移動しているのが分かる。
唾液で濡れた太股が冷たい。


「はい、股間到着」
「い、いざや…」
「期待してる?ここ、震えてるよ」
「んぁ…、あっ」


温く湿った股間。
おそらく、下着の上から臨也が唾液を溜めた口で吸い付いたのだろう。
じわり布が濡れると共に、刺激が腰に広がった。
更にぐにぐにと袋を持ち上げられたら、たまらなかった。
こういった行為は久し振りであったし、溜まっていた俺は直ぐに流され始める。

中が何も見えないスカートを、おどおどと見詰めている内に、パンツを下ろされる。
下着に引っ掛かったようだったので、臨也の目の前で跳ねただろう。
この時ばかりは見えなくて良かった、と思った。
自分の物が弾け出るのを見るだなんて、恥ずかしすぎる。


「はは、シズちゃんの元気だねー。相変わらずおっきい」
「うっせー馬鹿。もう…、早く…な、舐めろよ!」
「はいはい、喜んでー」
「んっ、ぁ…はぁ」
「絶景だねー」
「っ、写メ?!」
「撮ってない、撮ってないよー」
「うそつけっ!やめっあぁ!ひっ、ぅ…先、は…、あっ」


カシャッ、と音と共に見えた小さな光。
スカートの中で俺のぺニスを弄りながら、携帯で撮影しているのだろう。
なんて器用な奴だ。
その姿は相変わらず見えなくて、どんなアングルで、何処を撮られているのか、さっぱり分からない。
それが更に羞恥心を煽り、顔が熱くなる。
どんどん迫り来る快感にも耐えられず、俺は上半身を少し折って、臨也の頭を押さえ込んだ。
咄嗟の行動だったが、それが丁度口内へ入れようとした臨也の行動と重なった。
にゅるりと柔らかく温かい口へと押し込む形になってしまった。
スカートの中から「うぐぅっ」とくぐもった声が聞こえたので、奥へと入れ込んでしまったのだろう。


「ちょっとシズちゃん、急に積極的にならないでよ。奥突かれて吐くかと思った」
「わ、わりぃ…。だって、見えねぇから…!ぅ、ひぁ」
「あれ、なんか敏感になってない?」
「あっ、後ろはっ…!いたっ」
「ごめんごめん。ローションちゃんと使うからさ」
「そ、ゆう問題じゃ、ねぇ!触るだけって…」
「触るだけだよ。指を入れて、中を触るだけじゃない。ねぇ?」
「やっ、ぁっ、あ…」


やめてくれ、そんなの。
中を触るだけ、って、そんなの。
逆に俺が我慢出来なくなる。

どこに持っていたのか、ローションの蓋が開く音が聞こえて、俺が身を固めたところで指が穴が撫でられる。
周りに冷たいローションを塗りつけられてから、慎重に指が入ってくる。
まだ固いし、俺自身が体を固くしてしまっているから、臨也の指はなかなか進まない。
それでも臨也の指の動きは止まらなくて、指先でぐにぐにと揉むように広げられる。
確実に揉み拡げられていく小さな穴。
そこで快感を拾うようになってしまった体は、びくびくと反応してしまっていた。


「シズちゃん、やっぱり見えない事に興奮してるでしょう」
「し、してねぇ!」
「そうかなぁ。中がいつもよりびくびくしてるけど」
「それは…久し振りだからで…」
「ふぅん?」
「あっ、あっ、音!わざと、だろ手前ぇ…」
「さぁ?どうだろう。てか、この体勢やりにくいなぁ」


ローションと空気が泡立って、ぐちゅぐちゅと下品な音が響く。
奥に入れたまま空気を入れるようにかき混ぜるもんだから、その音はやまない。
俺が立ったままで、臨也の言うとおり動かしにくいのだろう。
いつもの様な激しい抜き差しはない。
わざとなのかいつもと違う体勢で見付けにくいのか、前立腺に触れる事もせず、決定的な刺激もない。
それがもどかしくて、じくじくと熱がたまって辛かった。
もう、限界だ。


「臨也…」
「んー、なに?てか、足ガクガクだねぇ」
「も、出てこいよ」
「何で?俺、まだ触り足りないんだけどぉ」
「お、俺が足りねぇんだよ!」
「…へぇ?でも、触るだけって、約束だしなぁ」
「…もうその約束はいい。入れろよ」
「そう?じゃあお言葉に甘えて。よいしょ、と。……ねぇ、見てシズちゃん。俺の、こんな風になっちゃった。スカートの中で見てたシズちゃんが刺激的すぎてさぁ」
「う、わ…えぐい…」


もそもそ出てきた臨也の前は、既に勃起していて、短いスカートを持ち上げていた。
それをぺろりと臨也が持ち上げると、そこには先程ちらり見えた白のレース。
女物の面積の狭いその布にぎりぎり収まっているペニスは濡れていて、白い布を湿らせていた。
それが言った通り、エグかった。
が、これで奥を突かれるのを想像したら、下腹部がきゅんとした。
焦らされた分、俺も我慢が出来ないらしい。


「はい、シズちゃん。じゃあそこにごろんして」
「ソファでヤんのかよ」
「じゃあ、今からベット行く?我慢できるの?」
「……できねぇ。でも、狭いのはやだ。カーペットがいい。そこやらかいし」
「はいはい。じゃあそこに仰向けになって。で、スカート捲って」
「こ、こうか?」
「もっと上。ちゃんと見えるようにして。そうそう。いいねぇ、その恥ずかしそうにしてるの。燃えるねぇ。あ、パンツ自分で脱いで」


注文の多い奴だな。
そう小さくブツブツ言いつつも、素直に従う。
俺は早く、あのミニスカートの下にあるものが欲しいのだ。
多少の恥なら、我慢する。
何だか臨也の掌で転がされているような気もしなくもないが、まぁ良い。
腰を少し浮かせて、下げられて動きづらい要因になっていた下着を脱いだ。
濡れているそれをぽいとその辺に投げると同時、がばり足を開かされた。
まじまじとそこを見られると、やっぱり恥ずかしい。
さっきもスカートの中で散々見られていたのだろうが、見られている状況を目に入れるのと、そうでないのとでは違うようだ。


「入れるよ、シズちゃん」
「んっ、あぁ、はぁ」
「やば、ちょっと、今日長く持たないかも」
「お、れもっ…」
「じゃ、遠慮なく、飛ばそうか、なっ」
「ひっぁっ、あ、あ…激し…」
「ん、きつ…。はぁ、シズちゃん…」
「んん…、ふぁ、はぁ、あぁっ、あっ」


待ちわびた熱い刺激。
ぐっ、ぐっ、と奥に押し込まれ、動きが激しくなる。
お互いの荒い息と、下半身の水音が響いて聴覚を攻められ更に興奮を煽った。
思考も体も、快感にぐずぐずと崩されて、気持ち良くなることしか考えられない。
前立腺に臨也の亀頭が当たる様に腰を振れば、臨也は少し嬉しそうに口元に弧を描いた。
その表情すら脳への刺激になる始末。
こんな、短いスカートのセーラー服を着た男がかっこよく見えるだなんて、どうかしている。


「あっ、いざ、もう…、」
「ん…イっちゃう?あれ…、はは、自分で弄っちゃってんの?かーわい」
「うっせ…!」
「もっと、気持ち良くしてあげようか?ここ、好きでしょ?」
「んあ!あ、はっ、はぁ、うぁ…」
「は、ぁ…シズちゃんの中、気持ちいー…」
「ひ、あ、あぁ、やっ…も…だめ、だっ」
「あっ、締めすぎっ…!ぅ、んっ」


こぷり、中に出された精液。
いつもはゴムをするのに、久し振りに生だった。
余裕のない俺はそれに気付かなかったが、臨也もそれほど余裕がなかった、と言う事だろうか。
まぁ、とりあえず、

「臨也。もっかい、シようぜ」


まだ疼く下半身に素直になって、臨也の首に腕を回した。



―――

しーふさんリクエストのロングスカート静雄でした。勝手に二人とも女装にしてしまいましたが、大丈夫でしたでしょうか…?希望と違った場合は連絡ください。手直しさせていただきます。
企画への参加ありがとうございました

しーふさんへ








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