第1話





「…え。」


「いくらひとつ屋根の下で女と生活するっつっても
幼馴染のお前のことは大切にしようと思ってたんだが…

お前がその気なら、俺はいつでも答えるぜ?」





目の前に差し出されたのは、
まさかのコンドームの箱。

グリムジョーはいたずらな笑顔で私を見る。
脳の回路がショートして目眩がしそう。




「お母さん…本当に、勘弁して……」


「じゃあひとまず、お前のお袋さんからの
許可は取れたと思っていいんだよな?」


「ちょっとグリムジョー、本気で言ってるの?
私、そんなつもりじゃ…」




目の前の現実から逃れたくて、
グリムジョーの手中にある元凶を取り返そうとすると
あっけなく躱され、その腕を掴まれた。



「一つ、お前が知らねえことを教えてやる。

お前がこの家に来ることになったのは
俺が提案したからだ。」


「えっ?なんで、そんなこと…」


「そんなモン、言わなくてもわかるだろ?」




悪い笑顔。そして、片手には例の箱が。

つまり彼は、私を"そういう対象"として
部屋に呼び込んだってこと?




「何固まってんだよ。

大事な幼馴染を、ストーカーから
守るために決まってんだろうが。」




なにそんな真剣な顔で悩んでんだバカ。
そう言って、グイっとほっぺたを抓られる。

アンタが紛らわしいこというからでしょーよ!と
言おうとしたその言葉は驚きに混じって掻き消えた。



グリムジョーが、優しく包むように
私を抱きしめてきたからだ。





「……ま、これから仲良くやっていこうぜ」


「だ、抱きつく必要あったかな…」


「細けえことは気にすんな」




恋人でもない男の人に
ハグされてるなんて、
なんか変な気持ちだなあ。


ちょっと心がむず痒い気持ちになるけど
私もおずおずと、彼の腰に手を回す。
これからよろしくね、の挨拶の意を込めて。









「久しぶりに女を抱いたのと、
お前から良い匂いがしてすげえ興奮した。」



そう言って私の手をとって、
勃起した自身を触らせてきたことは
絶対に許さないが。



To be continued...

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