泣き虫うさぎ | ナノ
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八くんと分かれてから少し経ったら前を走っていた奏くんたちに追いついた。
恭くん、走るの速いんだなぁと、染み染み思いながらもさっきの集団?について考えた。

とりあえずみんなが嫌い?な人たちの集団ってことしかわからない。
こんなにいい人たちが嫌うなんて、どんなことして来たんだろう。怖いけどちょっと気になるなぁ。

恭くんにおんぶされながら辺りを見渡すと昨日恭くんと通った道だ。じゃあ、裏生徒会室にでも行くのかな。

「恭ちん、追いつくの速すぎー!」

「あれー?はっちーは?」

「時間稼ぎ」

三人はそれだけ会話すると黙ってしまった。バタバタと走る音だけが廊下に響いてた。翌々考えたけど今授業中なのかな?。またサボっちゃった。にぃ、怒るかな。

と、ぼけっーとしてたら

「はい、ストーップ!止まって止まってー!、瀬奈先輩??止まっ、ちょっ奏先輩殴ら、痛っ!?」

と、明るい金髪でピン留めを沢山付けた人が進行方向に現れた。でも、奏くんに殴られてるけど………大丈夫かな?。

「奏、やめとけ。那智が泣きそう」

「じゃあやめるー!。いっくん、よかったねえー」

「すっごい棒読みですけど、やめてくださってありがとうございます」

パンパンと汚れを払って立ち直る誰か。
えっと、みんなの知り合いなのかな??。

「あれー?郁ちんじゃん。どうしたのー?」

「気づいてましたよね、絶対。
いや、授業中なんで静かにしてもらえませんかねって風紀委員からのおねg「「やだ」」そういうと思いましたよっ!?」

「うぜぇ、那智行くぞ」

眉間に皺を寄せた恭くんが話しかけてきた。いいのか、この人はと、ちょっとだけ恭くんの肩から顔を出して見た。

「………っ」

「あっ」

と、目が合った。どど、どうしよう。怖いけど逸らす勇気もない。ぎゅっと恭くんの制服を掴んだ。

「那智?」

近くで恭くんの声が聞こえるけど、心の中はにぃのことで一杯だ。にぃ、にぃた、助けて。

そんな僕をお構いなく

「か、かか可愛いぃぃぃ!!。
何?天使、受け?!キタコレ!!恭先輩の彼女さんですか、美味しいですだから惚気くださいっ!!」

「でた、いっくんの腐男子癖」

「那智ちん、泣きそうなんだけどー?
どう責任とってくれんのー?」

「那智が……彼女…か」

「きょー、顔にやけてキモいよー」

「瀬奈先輩!、この天使は那智ちゃんって名前なんですか?、男の娘ですよね!?。
キタキタキタキタァァァァ」

………パニックになってたけど、何かカオス?になってた。ふだんし?ってなんだろう。



怖さとか焦りとか色々吹っ飛んで、周りの慌ただしさに目を向けることに精一杯だった。とりあえず、金髪の人は誰なんだろう。皆の知り合いなんだよね?。

コテンと無意識的に首が傾げたら、また金髪くんは何か叫んだ。
あー恭くんの眉間に皺が。

「チッ、お前がうるせぇわ」

「………きょ、うくん?」

「ん?那智どうした。何があったか?」

別に何があった訳じゃないから、首を横に振る。恭くんは眉間のしわを解き、そうかと一言呟いて少しだけ笑った気がした。
何時もそうしてればいいのにー。

「あ、あああのきょ、恭先輩が笑ってる!?」

「恭ちん、気持ち悪ーい」

「あ?」

と、金髪の彼は恭くんに指差しながら口をパクパクしてる。金魚さんみたいだ。
んーでも、人に指差しちゃダメなのに。

「……指、だ…め」

「へ?」

つい思ってたことが口に出てしまいバッチリ金髪くんに聞かれてしまった。あ、あ、どどうしよう。怒ったかな、突然変なこと言っちゃったし。

「多分ーなっちゃんは、指差しのダメー!って言いたいんじゃないかなー?」

と、助け舟の奏くん。うん、正解。
と言うかアレだけで伝わったことが凄いし、嬉しい。

「あー、なーるなーる。
確かに人に指差しちゃダメですよね、那智先輩」

にっと笑いながら金髪くんは指を指すのをやめた。よかった、怒ってないみたい。

「あ、まだ俺自己紹介してなかったっすね?」

「しなくていいよー、モブキャラ」

「瀬奈先輩、流石にそれは冗談キツイです。
えっーと、俺は神凪郁です。一年で、こんな見た目でも風紀委員の副委員長なんでよろしく、那智先輩っ」

明るい金髪みたいにキラキラな笑顔で話してくる郁くん。副委員長なんだ……凄いけど、風紀委員って確かにぃもやってたよね。
あ、でも先に自己紹介しなきゃ。

「……か、すいな、ち…です。
よ、よろしく、ね?」

少しだけ恭くんの肩から顔を出して、言い切った。ん、僕がんばった。

「………待った鼻血出そう」

「「「くたばれ」」」

「あたり強くないっすか!?」

郁くんは鼻を抑えながら叫んでるけど、鼻血出るなんて癖になってるのかな?。
何も鼻にぶつけてないし………。

じっーと郁くんを見てたら

「……神凪、お前まで騒いでどうする」

と、大好きな声が廊下に響いた。





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