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*
みんな揃って僕たちは何かしらデザートを食べた。僕はパフェで瀬奈ちゃんはホットケーキ、奏くん八くんはアイスを。恭くんだけコーヒー一杯飲んでた。
にぃ意外と食べるのも初めてだし、にぃ意外の誰かと食べるご飯でこんなに安心感を覚えるのも初めてだった。僕、色々変わっちゃったのかなってちょっと不安。
「ご馳走様でしたっ!」
「きょー、奢ってくれてさんきゅー」
「貸し一だからな」
「先輩のケチ」
「八だけ貸し百な」
「それは横暴です」
と、恭くんと八くんが珍しく争ってる。因みに僕はまだパフェ食べ終わっていません。
僕も貸し一なのかな?、奢ってもらっちゃったからね……何を返せばいいんだろ……。
「那智ちん、食べるの遅いねぇ」
考え込んでたら瀬奈ちゃんに話しかけられた。これでも早めに食べてるつもりだけど、パフェが思いの外大きかった。
「…ご、めん…ね」
「いいって!、二口くらい貰うねー!」
どこから取り出したのか分からないスプーンで瀬奈ちゃんは生クリームやらアイスをごっそり掬っていってしまった。
あ、やっと生クリームの層が終わった!。
「……瀬奈、食い地張りすぎだろ。那智のために注文したのによ……」
「だってー、美味しそうだったしー!。
それに早くしないと煩い奴が来ちゃうかもじゃん?」
………煩い奴??。
瀬奈ちゃんが言ったその単語に引っかかった。誰のことを言ってるのかな?。
とりあえず僕の知り合いの中に煩い人なんて愛ちゃんくらいだ。失礼だけど。
と言うか、皆待たせてるんだから早く食べなきゃっ!。
「あぁーあ、なっちゃん。急がなくていいってっ。口の周りベタベタだよー?」
と、奏くん時々恭くんって感じに二人が僕の口の周りを綺麗にしてくれた。
*
結局パフェが食べ終わったのはあれから二十分後。
皆にごめんねって謝ろうとした時
『今日…沢山……るぞぉぉぉ!』
『……は、………ねぇ?』
『『きょ……たちは………!』』
と、食堂前の廊下から団体の声が聞こえた。
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