泣き虫うさぎ | ナノ
18

八神新。
僕のお父さんのお友達だ。腐れ縁?ってお父さんも八神さんも言ってたけど、そういう相手がいるって羨ましいな。

「那智、今日から登校すんのか?」

八神さんは見た目がホスト?って仕事してる人に見えるってにぃが言ってたなぁ。ホストが何かわかんないけど、先生に見えないくらいかっこいいし。無造作っぽいけど綺麗にセットされてる髪型、スラリとしてる黒目。

こくんと頷いて

「…今日…だ、け」

「今日限定か?。まぁ無理せず来いよ、日向も電話で那智が来てるか聞いてくるしな」

日向は僕とにぃのお父さん。この学園の理事長やってて、他にも大きな会社の社長ってにぃに前聞いたことがある。
お父さん、八神さんにも電話してるんだ。
一週間に三回は僕たちにも電話くるけど、一度も学園に行ってる?、とは聞いてこないのに。

「まぁいい。那智、お前は変わってねぇなー」

ガシガシと撫で回される。痛いけど嫌いじゃないんだ。

「や……がみ、さんも」

「当たり前だ、俺は日に日にかっこよくなるからな」

「かっこ……い、い」

「冗談なんだが……素直に言われると嬉しいな」

八神さんは顔に手を当てながら僕の頭を撫で続ける。

「あ、八神さんじゃなくて新って呼べよ、昔みたいに。後、フードとっていいか?」

昔は新さんって呼んでたなぁ。
今は先生だから新先生って呼べばいいかな。

フードは………。

「ひ、と…いる」

「大丈夫だ、ここ隅だし死角になってる……いいか?」

と、新先生は言った。なら、いいかな。職員室に入った時も僕の方見てこなかったし忙しそうだったもんね。
こくんと頷いて自分からフードを外した。

「………変わってないな本当。昔みたいに可愛いままだ」

片目は眼帯して真っ白な僕を認めてくれるのはにぃとお父さんと掛かりつけのお医者さんと愛ちゃんと新先生だけ。
昔みたいに接してくれて僕はいつの間にか頬が緩んでいた。

「…っ///。那智、お前の笑顔は……あー、この学園でこいつが無事に過ごせるか心配になってきた」

首を傾げる。どういう意味だろ。僕の笑顔??。

………あっ、昨日恭くんに笑っちゃダメって言われたんだった!。にぃにも笑っちゃったけど新先生にも笑っちゃたよ!。

一人であたふたしてたら僕たちの方に近づく足音に気づかなかった。

「八神ちゃーん?お呼びだしって何ー…………なっちゃん!?」

「え?那智ちん!?」

「お前………那智来たのか」

昨日振りに聞いた声。

「はぁ?呼んでねぇよお前らなんか」

と、新先生はしっしっと手で払うようなポーズをする。僕はゆっくり後ろを振り向いたら

びっくりしてる奏さん、瀬奈ちゃんに、二人の後ろで優しく笑ってる恭くんがいた。





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