09
ガチャと何処かの扉を開け、スタスタと一直線に目的地だろうの部屋にあったソファに僕は降ろされた。
凄いふかふかだ。ペタペタとソファを触り手触りを実感。
恭くんが隣に座った。それでもこのソファは大きくて、後一人くらい座れそうだ。にぃと座ってみたいなとか考えてたら、
「ここは俺たち裏生徒会の部屋だ」
「………裏、せい…とか、い?」
なんだろその組織?は。生徒会とかはにぃに教えて貰ったから知ってるけど、裏生徒会のことは聞かされていない。
それに、"俺たち"ってことは恭くん以外にも裏生徒会の人がいるってことだよね?。今は僕と恭くんだけだから、何処かに行ってるのかな………酷いことだけどよかったって思っちゃうな。
「やっぱり知らないか…………裏生徒会は基本生徒会がしないことをして、那智の兄貴がやってる風紀委員とほぼ同じ事をしてる組織だ」
「………む、ずかし…い」
「簡潔に言って過激親衛隊の壊滅を試みてる組織」
親衛隊?、なんだろうそれは。聞いたことがない単語だ。
「し、んえいたい………何?」
「知らないのか……あー、ファンクラブと同じような集団のことだ」
ファンクラブ?。……それってアイドルさんとかのファンの集まりだよね?。それがこの学園にもいるって事は、アイドルさんがこの学園にいるってこと?。
「ア、イドル…いる、の?」
「いや多分いねぇな」
え?どういうこと?。んー、難しい。
「あれだ、アイドルじゃなくて顔がカッコいい奴らにもファンクラブは出来んだよ。……確か那智の兄貴にも隠れ親衛隊があったはずだぞ」
ふぇ?そうなの?。あ、でもにぃ、イケメンさんだから納得。僕もたまにドキドキするもん。
でも、イケメンさんにもファンクラブってできるんだ、本当イケメンさんは得するね、羨ましいな。
「この話はもう終了だ。………那智、なんか好きなもんとかねぇのか?」
と、話題を変えられた。好きなもの………。
「……にぃ」
「違うヤツ」
にぃと答えたら恭くんの声が低くなった。突然だったからピクッと飛び上がった。ぼ、僕、何かしちゃったかな……。嫌われてないかな……。違うもの答えれば機嫌治るよ、ね?。
「えぅ………あ、まいの」
「甘い物か?。あぁ、ケーキ好きって言っていたもんな」
こくんと頷く。そうだ、ケーキのこと忘れていた。にぃが買ってきてくれるって別れる時に約束してくれたんだ。
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