狂愛嗜好

「宮地食べたらさ、絶対甘くて美味しいと思うんだよね〜。」

「は?急に何言ってんの。お前。」

「急じゃなくて結構前から思ってたんだけどね?」

そう。ほんとずっと前から。
たぶん、付き合い始めた頃から。
宮地とするキスもそれ以上のことも、どれも甘くて熔けちゃいそうなほど美味しくてもっともっと食べたくなる。

「…何かお前変なこと考えてただろ。」
「変っていうか…宮地のこと?」

「しね。」

その言葉と同時に思い切り殴られた。
痛い…。
宮地、ほんと手加減を知らないなぁ…。
まぁ、これは照れの方が大きいからこういう行動にでちゃうんだって知ってるけど!
ほんと器用そうに見えるのに、不器用なんだから。

「やっぱり宮地は可愛い!」

「ふざけんな。何?轢かれたいの?」

「んー、宮地になら轢かれてもいいけど…。でも、やっぱりもっと宮地を味わいたいから死ねないかな?
ごめんね、宮地。」

ふりかざしてた手を抑え、唇を重ねた。

あぁ、やっぱり宮地は甘い。



これが昨日のこと。
今、宮地は俺の前で静かに眠っている。
ほんとに静かに。ただただ静かに。

「ねぇ、宮地。」

そっと慈しむように頬に触れれば幽かに残った温もりがあって。

「ねぇ宮地?」

優しくそう呼びかけても応えは返ってこない。
ただただ静かな空間。
その中で響いているのは、俺の立てる音だけ、

「ねぇ、宮地。これでやっと俺たちほんとに1つになれるね。」

そっと唇を重ねる。

うん、昨日と変わらず美味しい。
けど、昨日に比べたらちょっと硬い気がするのは気のせいかな?

「そっか。宮地も緊張してるんだね。
緊張しなくて大丈夫だよ。むしろ喜ばないと!」

眠る宮地の首元に顔を埋める。
ふわり、と宮地の香りに包まれた。

「それじゃあ……イタダキマス。」

首元から、顔を上げ手を取り、そのまま綺麗な指へ顔を近づける。

「やっぱり最初は指からだよね。
ずっとバスケをやってきた宮地の大切な大切な指。」

かぷり、なんて優しい音じゃなく、思いきり歯を立てた。
ちょっと強く歯を立てれば、少し暖かい血が流れた。

それでもまだ足りない。
もっともっと深くまで…。

ゴリ、と歯が硬いものに当たった。
それを強く噛み砕いて、手から口を離す。

「んーやっぱり宮地は美味しいよ。
甘いんだけど甘すぎないで…ほんと、絶妙の味!」

ぺろり、と基地の周りについた血を舐めた。

「まだまだ時間をかけて1つになろうね、宮地!」


さぁ、次はどこをタベテホシイ?


end


思いついたのはハチさんのパンダヒーローを聴いて、ふと思いつきました。

グロより美しさみたいなのを目指してみたつもりなんですが、どうなんでしょう…?



2013/01/04.



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