いつもはいつまででも余裕で眠りこけているというのに今日は何故か早めに目が覚めた。こんな自分でもやっぱり初めての寮生活や、学校を不安に思っているのか、そうでないのか。時計をみてみるとまだ6時で休日にしては早すぎる起床。

ホグワーツ入学まであと三日。



少し早いけど布団に潜ってみても全然眠れる気配がなくて仕方なく体を起こす。まったく、いやになっちゃう。体は眠いのに脳はしゃっきりおきているようで。そのまま上着だけ羽織って自室からリビングに降りていくと、朝早いというのにもう手紙がいくつか届いていた。



「んーこの時間に誰から…」



ふと見ると自分の名前。私宛か、誰かな。手紙をとって裏返すとそこには”alesta”と書いてある。アレスタから手紙だなんて…
手紙のはじをビリッと破いて中を取り出した。



『ミリアへ

忙しくやってるか?それとも暇持て余してるか?
まぁどっちでもいいけど久しぶりだな!
前に会ったのはいつだったっけか?2月とかだっけ?

まぁそれはともかく私の所に手紙が来た。
ホグワーツ魔法魔術学校の入学案内についての手紙だ!
私の家は父さんも母さんもホグワーツだし、ホグワーツだって言われてたけど実際にホグワーツだったってわけだ!
ミリアのところにもそろそろ入学案内がきてるころだとおもって連絡した。
まさかたくましすぎるミリアにボーバトンから手紙がきてるとは思えないしお前の両親もホグワーツ出身だからおそらくホグワーツだろ?

同じに寮になれるかはわからないが、入学式で会おう!(多分)


追伸
やっとセブルスにあえるかと思うと胸が高鳴って死にそう

アレスタ』



…なんてアレスタらしい手紙!!わざわざ手紙を送ってくれたのは嬉しいけど後半なによ!失礼!!それに最後ホグワーツだって思い切って自己解決してるじゃない…いや、ホグワーツだけど。
久しぶりの手紙に私はくすっと笑った。私の小さい頃からの友人、アレスタ・マークウェルはちょこちょこあっているが、やっぱり会ってないことも多い。でも彼女は全く変わっていないようだ。

ドラコも、アレスタもホグワーツへ行く。おそらくロンも。昔から関わりのある知り合い達みんな。それもなかなか感慨深いけどそれを再確認するとこれからの入学式がなんとなく待ち遠しく感じてくるのだから不思議。



「手紙のへんじはなくてもいっか。どうせ届く頃はどたばた忙しそうだし。」


そのまま手紙を握りしめて自室に戻ればなんだか疲れがじわじわにじみ出るような体の感覚がして眠気が自分の体をおそった。さっきの手紙をみてなんだか安心したのかしてないのか。わからないけどとりあえずはアレスタのおかげ、ってことにしておいてあげよう。



「…もう一眠り、」


さっきとは違って布団に入ると暖かさとその羽布団のやわらかさに顔を埋めるとすぐに目の前がゆるゆると揺らいですぐに眠りに落ちていった。











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「ダンブルドア先生、」

「なんじゃ」



見切れないほど四方に八方にと飾られている歴代校長の肖像画。たくさんの書類に羊皮紙が置かれているその場所の真ん中にはダンブルドアと呼ばれた老人の姿と、緑の魔女帽子を被った魔女の姿があった。



「次の新学期にはやっと”彼”が入学してくるのですね」

「長かったのぉ…しかし、時は訪れるものじゃ。今年も面白いことになるだろうの」

「私は心配、で、」

「新学期がたのしみじゃ」



魔女が言いかけた言葉を遮るようにして笑みを浮かべた校長と呼ばれた老人はすっと窓に近づいて空を見上げながら言葉を言った。


まだ月は欠けていて、満月まではまだかかりそうだった。











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