「ミリア起きなさい!!もう朝よ!!」
微かにママの声がする。もう朝なんだろうけど眠い、すごく眠い。
少し目を開けると光線のように朝日が私の顔を直撃してきた。
たまらなくなって布団に潜り込もうとすれば、見えているのかといいたくなるほどタイミングよくママの怒声が聞こえてくる。
「…はい!!はい、今降りるってば!!」
返事をして仕方なく布団をでた。
窓を開けるとどこからともなく風がはいって空気をすっきりしたものに変えていく。うん、いい朝だ。
少し伸びをしてからパジャマを着替えて自室からリビングに降りると、朝ご飯が半分出来上がっていた。
「おはよう…」
「まったく、相変わらず朝に弱いんだから。」
「だって眠いもんは眠い…ふぁあ…」
「ほら早くお茶もっていって!ご飯食べちゃいなさい!」
ピシャリと言い放たれれば返す言葉もなくポットを持って席に着く。
お茶を注いで焼かれた食パンを手にとってバターを塗った。
その時。
ガタンと音がして窓の近くにフクロウが止まった。
「ママーフクロウ便だよー」
「誰から?」
パンを皿に戻して立ち上がればフクロウの元へ行く。そして手紙と新聞を取り上げてフクロウを窓にかえす。そして手紙をみる、と。
「ミリア・クラシアス様…?あたし宛って誰からだろう」
綺麗な封筒には私の名前がかかれているけどまったく覚えのない封筒。そんなことを思いながら裏っかえしてみると覚えのある刻印と名前が目の前に飛び込んできた。
「ホグワーツ魔法魔術学校…!」
「え?」
「ママ!!ホグワーツから私宛に手紙がきた!!」
思ってもいなかった事に私のテンションはあがり、眠気は一気に吹き飛んだ。席につきながら封筒を破いて中身を取り出すと飛び込んできたのは入学についての文だった。
「入学を許可します…って、やったぁ!ついにホグワーツにいけるのね!」
「本当にホグワーツからなの!?パパに急いで連絡しなくちゃ!」
私は飛んできたママに手紙をひったくられたけどそんなことは気にならないくらい嬉しかった。
ホグワーツ魔法魔術学校はその名の通り魔法を学ぶ学校。
そう、私の家系は魔法使いの家系なのだ。しかも先祖や親戚の多くがホグワーツの出身で、勿論パパやママもホグワーツ出身者だった。
私も次の秋から入学だろうとは言われていたものの、連絡がこないもので不安になっていた所だった。絶対大丈夫とは思いつつもやっぱり本当に手紙がこないと不安だもの。
顔がゆるむのをどうしても押さえられそうにない…
そんな私は緩みっぱなしの口の中にとりあえずパンをつっこんだ。