「ほい、アレン!」「わぁ、いいんですか!ありがとうございます!」

「こっちはラビに!」「やった!ミリアのゲットさ!」

「クロちゃんにもあるよ、はい!」「ち、チョコ貰ったのはエリアーデ以来であーる…」

「あ、コムイはこれ!科学班のみんなの分もあるよ!」「わ、ありがとー!」『うぉぉぉ!!』




「リナリーっ!」
「あ、ミリア!終わったの?」
「うん!リナリーは?」
「私、あと兄さんに持っていったら終わりよ。」
「あー、コムイ放してくれないか……」
「うーん…そう、だから毎年最後なのよ…。」
「………大変だね…」
「まぁね…じゃ、またあとでねミリア!」
「うん!」



……あたし、さっきから包みを持って走り回ってたんですが。(リナリーもかな。)

何を隠そう、今日はバレンタインデーなのです!

教団本部の男性陣みんなに配るから、作るのも渡すのも一苦労で!


でも、今手元に残ってるのはひとつ。



これ、一個だけ特別なんです。
これを渡すべく人捜ししてるんです。


……………が。


いないの!ユウがどこにも!なんで!いつも突然現れるくせになんで今日に限って!



そんなわけでミリアちゃん、途方にくれておりました。

………めげないもん。



「あれ、ミリア?」
「あ、アレンにラビ?」
「……まだ見つからないんですか、神田。」
「………ったくユウは意地っ張りさー(ボソッ)…」
「うん、ユウどっかでみて……ないよね…。」
「すみません、お役にたてなくて。」
「ま、ユウはほっとけば出てくるさ!ちょい拗ねてるだけだろ。」
「拗ねて…?うーん…………とりあえずありがとう……?」
「ん。じゃーな!」



……あたしなんかしました?
まぁいっか。




「ユウ!部屋にいるの!?」


さんざん探して残りは最初に来ただけのユウの部屋だけだったりする。


「………っ入るよ!」


ガチャッ



……………

「なんだ、いたなら返事してよ………」


すごっく単純なとこにいました。



「ねえ、ユウ、」「お前、さっきまでなにやってた…」


……ユウくん、人の話聞いてください。



「何って言われても…ユウを探して教団めぐり…?」

「違うだろ………てめぇ、なんでモヤシ兎その他にチョコレートなんてやってんだよ。」




…………………え。

もしかしてユウ、


「妬いたの?」

「ばっ、違え!イライラしただけだ!」



それを世では嫉妬って言うんじゃないかな。うん。




「じゃあ、そんなユウくんの為に私が特別に作ったチョコあげるよ!」





やっぱ、本命だからね。









「で、ユウ見てたの?出てくればよかったのに。」

「うるせぇ。」




───────
亜桜 麻槻様より
(バレンタイン神田夢)






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