「十代目!」
「あ、獄寺くn「ツナーッ!」
クラスメイトの姿を見つけ、そちらに向かおうとしたツナは後ろからの衝撃に大きくよろめいた。振り向けばこちらもクラスの少女。
背中を押した手を前につきだしたまま笑う。
「おはよ。…あとついでに隼人も」
「お、おはよ…」
「俺はついでかよ」
「隼人ごときはついででじゅーぶん!」
「んだとテメェッ!!」
「テメェ、じゃなくてミリアですぅー!!」
べーっと舌をだしてかけてきた獄寺に軽くケリをかますミリア。能力は特殊でも腕力等はただの女子。前戦に立ち、ファミリーの一員として戦う獄寺をどうにかできるわけがない。
しかし、不意打ちのように決まった。
「あ、なにしやがる!?」
「テメェなんて呼ぶ隼人が悪いの!」
「ふ、二人とも…朝からやめよーよ……」
本気じゃない、ただのじゃれあい。言葉では止めつつも二人を微笑ましそうに見るツナ。
簡単によけられるはずのケリを避けることのない獄寺。
しつような程に名前を呼び、呼ばれることにこだわるミリア。
恋人というには遠すぎて、
友人というには近すぎて。
二人がそれに気付くのはいつ?
───────
砕夜 密様より
(獄寺夢)