「ミリア」

「……、」

「ミリア!」

「……、」



幾度目か分からない溜息だけが虚しく響いた。まったくなんだというのだ。珍しく落ち込んでいるから柄にもなく慰めてやろうかとしているのに、こちらを見ようともしない。ふん、もう知らん



「ペタ」

「!」



踵を返そうとした瞬間名前を呼ばれる。なんてタイミングの悪い女だ。否、良い、の間違いか



「ペタ」

「なんだ」

「どうして、私たちは戦ってるの」

「は、一体何を」

「分からない。私には、戦う理由も目的も分からない」

「何を今更。昔のお前はそんなものの有る無しに関わらず来る敵を殺していただろう」

「…、」

「先程からどうした。今日はなんかおかしいぞ」



こちらを振り向くが虚ろげな目は私を見てはいなかった。その向こう、どこか遠い世界に向けられているようだ



「そんなことばかりしていたら、」

「ミリア?」

「そんなことばかりしていたら、あなたはいつか独りになるわ。って、言われた」

「誰に」

「知らない人。今日も言われた通りの街で言われただけ暴れてきたけれど、そのとき通りすがりの女の人に、可哀想ね、あなたはそのままじゃいずれ独りぼっちになるわ、って」

「殺さなかったのか」

「だって、その街の人ではなさそうだったから、言われた範囲には入らない」

「…いつもながら馬鹿正直だな」



まあ良い、とジロリと彼女を睨みつけた



「それで、貴様はそれを間に受けたのか」
「…だって、確かに言われれば殺すけど。理由も分からずに人を殺して、その結果もし独りになってしまうんだったら、嫌だなあって」

「だから理由が欲しかったと?」

「理由があれば、独りになっても我慢できる」

「よく分からん理屈だ」

「だけど私はいつも言われてやっているだけだから、理由も見つからない」



ねえ、私は何故殺しているのかしら?そう問う彼女は酷く儚くて、触れてしまえばシャボン玉のように弾けて消えてしまうのではないだろうか。そこまで思って馬鹿馬鹿しいと首を振った



「貴様のことなど、私は知らん。が、それで使い物にならなくなっては困るからな。一つだけ理由をやろう」



カツカツと足音立てて側まで寄るとしゃがみこんだミリアの顎に手を掛け上を向かせる



「それは貴様が私のものだからだ」

「!」

「私は優しくないからな。側にいてやるとも、いろとも言わない。だから独りになりたくなければ黙って私に着いてこい」



着いてくる限りは捨てないでやる、そういって口付ければみるみる内に頬は色づき瞳は潤む



「あとの理由は自分で見つけるがいい」

「偉そうに」

「その顔で言っても迫力は皆無だな」

「そんなことばかり言っていたら、いつかペタは独りになってしまうんだわ」



言いながらも腕を伸ばして私の頬を包み込む彼女はとてもおだやかに微笑んでいた



「だから独りにならないようにずっと着いていってあげる」



私はまた、貴方に恋をする

(優しさも何もかも一方的な愛しい人)

2009.12.19 サリ
(40000hit記念を魅空様に捧げ奉り〜!嘘は吐いてないよこれがサリの全力だよ←すみません嘘ですただの力量不足ですor2慰めてあげるにもどうやら今月の参謀はツンデレなようです。そこは甘んじてツンデレ専用フィルターで甘々な感じに変換してやってくださいませ(×)ええ、まあ、ただ一つ言い訳をするとしたら…参謀に"黙って私に着いてこい"と言わせたかっただけでっす★…すいません、瀬戸内海に沈んで頭冷やしてきます…。そんなこんなでいつでも返品可能でございますれば!)




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サリ様より






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