─いいか、絶対泣くなよ。
無理、だよ。

─絶対についてくるなよ。
勝手においていくのはそっちでしょ。

─僕は、お前の笑顔が大好きなんだ。
……ずるいよ。



彼の人は、一体いつからその覚悟を固めていたのだろう。
自分が気付いたときにはもう遅くて、全ては取り返しのつかないところまで、決してもとに戻れないところまできていて。

突然問われて選択などできないはずの私に答えを残していくなんて、私が思っている以上に彼は用意周到でずる賢い。まるで彼のネクタイの色に示されたかのように。

今になればこそ記憶への答えは心に溢れてくるのに、あの時の私は知るよしもない。そう、きっといつものように聞き流していたに違いない。だって、あとからいつもみたいに怒鳴られたから、話を聞け、って。


そんなずるい彼は簡単には届かないところへ行ってしまいました。さあどうしよう、ついて来るななんて。


「私も知らなかったのよ…びっくり、幻滅だわ。私も闘う。是非、騎士団に入れてほしいの。」

「歓迎しよう、…ミリア・クラシアス!」


とらわれた王子様はお姫様が助けてみせるわ。
だからあなたに決められた最後の約束は、(彼の言葉こそ私のきめごとで、法律)





笑え、法律違反だ。


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亜桜 麻槻様より







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