「ぐ…ぁ…ぐぎゃああぁ!!!」






チェスの兵隊のアジトとかしている、レスターヴァ城のある一室から断末魔といえる痛々しい悲鳴が聞こえた。そして私はそれに臆することもしないままドアをあけた。



「やっぱり…あんたしかいないか、こんなことすんの。」


「ニコラか。私だって好き好んでこんな奴らを相手にしているんじゃあないさ。」




ここは拷問室の一室で、常に敵を捕まえれば情報を聞き出すために拷問が行われる。大体それを執行するのはナイトクラスの人間だが、好き好んでこんなしけた部屋で殺さずにギリギリの拷問を行うのは皆、性に合わないのか結局はファントムに信頼を置かれているペタ、そしてサディストで、ファントムの命令ならなんでも聞くキャンディスの二人が基本的には仕事に当たっていた。


ペタは拷問椅子に磔にされた相手を冷たい視線で見下げれば持っていた短剣で手首をさっと切り落とした。





「がぁああぁぁッ!!!」


「あらま。躊躇ないなぁ…
敵さん、この人頭おかしいから早めに情報吐いて帰ったほうがいいよぉ。このままだと四肢全部なくなっちゃうから。」



「誰の頭がおかしいんだ?これも職務だ。勘違いなどしてくれるなよ。まぁニコラの言っている事に誤りはないが…」


「ぐ…誰が仲間をチェスに売るものか…!死んでも言わないからな…」


「…あらー可哀想。死亡決定だわ。痛い思いしてまで仲間守るなんて馬鹿なのね、」


「ふん、まぁ先ほどからもう無理だとは感じていたが…仕方がないな。あと2時間くらい器具を固定して放置するか」





敵の顔からさっと血の気が引いたのがみてとれた。それに私は困ったような笑顔をむけながらペタがもってきた、針だらけの器具を少しめり込むくらいにセットして重石をのせた。途端に男から叫び声があがるがなにも気にしないで四肢に同じくセットしていき、時間が立つにつれて重石を増やすようにルークに指導して、ペタを部屋からつれだした。





「ファントムに呼ばれてたから呼びにきたのよ。ルークに石つめって言っただけだから大丈夫でしょう」


「……お前の頭も十分おかしいじゃないか。普通の女なら目を逸らすだけじゃすまないだろうに…成長も半端ないということか」



そう私はペタに脅されながらルベリアからスカウトをうけてチェスに入った女だった。だからそれなりだったけれど、強さは足りず、自ら修練の門にはいってから死に物狂いになって…ただペタを殺したい一心で強くなっていった。その結果がコレ。なんだか悲しくなるわ…




「早くあんたを殺したいからね」

「そうか、精々努力を積むんだな。まだ貴様の実力じゃあ最下層のナイトクラスに過ぎない。私など到底無理だ」


「知ってるわよ。でも油断してるとソレに殺される時がくるかもしれないわよ。」




すっと見た私の顔をふっと笑ってペタはありえんな、と一言つぶやいてコツコツとあたしの隣を歩いていった。
悔しさなのか私は自然と唇を噛み締めていて、口の中に鉄の味が広がっていった。














殺人予告衝動。

(必ず殺してやる…油断してるのも今のうちよ…)(成長が楽しみになるなんて…期待できそうな人形だな、アイツは。)





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