02


「千広!千広っ!起きろって!」

この声、司ちゃん?あれ、わたしたちどうしたんだっけ?
あ、そうだ。普通に歩いてたら、何処からか声が聞こえて、気づいたら足元に穴があってそこに落ちて...。
 
「どうしよう!穴に落っこちちゃったよ!?」
「んなこと分かってるっつの!それより、ここが何処なのか分かるか?」
「んー。全然わかんない。」
「だよなぁ...。」

周りを見回してみても、ここが何処だか分かりそうに手掛かりは無し。
そもそも霧?みたいのがかかってるから周りはよく見えない。

「ここはね、時の歪み(トキノヒズミ)っていうんです。」
「「誰っ!?」

声がした方を見ると、男の子が立っていた。

「僕?僕は朔(サク)って言います。」
「じゃあ朔。なんであたし達はここにいるんだ?」
「それはですねぇ、千広さんの願いを僕が叶えてあげようと思いまして。それで二人をここに呼んだってわけなんです。」

わたしの夢....?

「ってまさか、おお振りの世界にトリップしたい!ってあれ!?」
「ハイ。そうですよ。ってなわけでLet'sトリップ!」

パチンッと朔君が指を鳴らした瞬間、わたしたちの足元には大きな穴が...。

「「ってまた落ちるんかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」

わたしたちがこう叫んだのは言うまでもないよね....。



(もう二度と穴には落ちたくないと思いました。by司)



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