My Dear・・・



今日は、彼氏である淳の練習の様子を見に、全日本の合宿までやって来た。
でも・・・
じつは、淳には内緒。
だって・・・練習邪魔したら悪いかなって思ったから・・・
・・・だから、今日はこっそり淳の姿を見るのが、今回の目的。

・・・というわけで・・・
淳、どこにいるんだろう・・・?

練習場を覗けば・・・あ、皆いたいた。
あれは・・・岬君に、新田君・・・松山君もいる・・・!!
淳の話や、テレビとか試合では見たことがあったけど・・・
こんな近くでは初めてかも・・・

と、肝心の淳はどこにいるんだろう?

・・・そう、淳を探していたら急に目の前が真っ暗になった。

「・・・!?だ、誰・・・!?」

焦って目を隠している手を掴むと・・・

「・・・誰かな?僕に内緒でこんなところまで来て・・・」

・・!!その声は・・・

「・・・淳!?」
「ふふ・・・、正解だよ。」

そう言って手を外してくれた。
振り返ると、淳がいた。

「・・・どうしたの!?」
「どうしたのは、僕のセリフだよ。まさか君がいるなんて思いもしなかったから・・・」

そう言われた瞬間、ギュッと抱きしめられた。
え・・・と、ここ、練習場・・・?
そのことを思い出した瞬間、急に恥ずかしくなった。

「・・・じゅ、淳!ここ・・・皆に見えるかも・・!?」
「いいんじゃないかな?見せておけば・・・」

そう言ってますます強く抱きしめてくる淳。
久々だから嬉しい・・・けど・・・っ!?

そうやって内心あたふたしていると・・・

「おい、三杉。」

べりっと淳が剥がれた。
べりっと。

驚いて相手を見ると。

「お前、練習に戻れ」

松山君だった。
初めて間近で見るけど・・・
淳とは違って、なんか凛々しいなぁ・・・。

じーっとみていると、松山君が私に気がついたのか、声をかけてきた。

「すまねえ、きっと三杉のこと見にきたんだろ?」
「あ、はい!・・・あ、いえ!!すみません、邪魔して・・・」

しゅん、と項垂れてしまう。
だって・・・邪魔する予定じゃなかったのに・・・
だから、淳に内緒で来て、こっそり帰ろうと思ったのに・・・

松山君にも、他にみんなにも迷惑をかけたことに落ち込んでしまう・・・

やっぱり・・・最近なかなか会えなかったからといっても・・・ダメ、だったよね・・・

「あ、いや・・・すまねえ・・・俺はそんな気で言ったわけじゃ・・・」

そう言いかけた松山君が、急に後ろに吹っ飛ぶのが目に入った。
え?と思ってそっちを見ると・・・

「・・・ごめんね、名無し・・・。ベンチに案内するから、そこから見ててくれると嬉しいな。」
「え、いいの・・・?ていうか、松山君は?」
「いいに決まってるさ、だって他の関係者もいるんだし。」
「そうなの?・・・あの、松山君は・・・?」
「さあ、行こうか。僕もそろそろ練習に戻らなきゃだしね。」
「・・・う、うん?」

そう言って、淳に誘導されて中に入れてもらえたけど・・・

・・・松山君はどこに消えたのかな・・・?

***

「わあ・・・凄い!!」

やっぱり生で見るメンバーは凄かった。
実力の高い練習ばっかりだし・・・
それについていけるのも、きっとみんながすごいから。
それに・・・女の子に人気なのもわかる気がする。
みんなかっこいいなあ・・・。

でもやっぱり・・・

「井沢!もっと前でパスするんだ!」
「わるい!」
「こういう場面にオフサイドトラップを使うとうまくいくはずだ。」
「なるほどな!サンキュ、三杉!」

淳が、一番かっこいいなあ・・・
思わず、見とれてしまって・・・
呼吸するのも忘れそうになるくらい。

・・・好き。

そんなことを考えていると・・・

「10分休憩!」

その掛け声と共に、メンバーがそれぞれ散らばった。
淳は、こちらに来てくれた。

「お疲れ様、やっぱり大変ね・・・」
「うん。でもとてもやりがいあるよ。」

そういってタオルを首に下げ、ミネラルウォーターを飲む淳の姿は輝いていた。
本当に大好きなことを全力でやっているんだな・・・っていうのが、すごく分かって。
物凄くカッコイイって思うと同時に、嬉しくなる。

「・・・なに?どうしたの?」

汗をふいてる姿をじっと眺めていると、淳がこちらに気がついた。

「・・・なんでもない、ただ、かっこいいなって・・・」

思ったことをそのまま伝えてみる。
すると、また抱きしめられた。

「・・・淳・・・っ」
「・・・まったく、君は可愛いな・・・」

そういって頭を撫でられる。
心がきゅっと締め付けられて・・・
思わず、抱きしめ返す。

すると、淳が急に私の顎を持って・・・
私の唇に、甘いキスを・・・

「・・・っ」

もう、久々過ぎて、蕩けちゃいそうで・・・
淳ってば・・・相変わらずキスが上手くて・・・

「・・・名無し・・・」
「・・・、淳・・・」

優しく頬を撫でられ、ピクリと震えてしまう。
淳をそのまま見つめていると、また・・・

「・・・み、三杉さん・・・」

淳にキスされるのかと思うと・・・急に淳を呼ぶ声が聞こえた。

・・・て、あれ!?
そうだ、ここは・・・!!
慌てて周りを見ると、みんなじーっとこっちを見ていた。
何気なく、皆ちょっと赤くなってる気がする。

きゃあああ!?
わ、わわわわ私、なんてことを!?

そして、淳を呼んだのは・・・新田君?

「・・・なんだい、新田・・・」

淳が新田君を振り向くと、新田くんが背筋をピンっと伸ばした。

「す、すすすすすすすすみません!!邪魔するつもりはなかったんですが・・・!?でも、ジャンケンで負け」
「へえ・・・」
「ひいいいい!!?」

・・・なんだか、新田君震えてるみたい。
どうしたのかな・・・。

それにしても、とてつもなく恥ずかしいことしちゃって・・・
なんだか皆に気を使わせて、気がついたら休憩時間も10分以上立ってたみたい・・・
もう、私・・・帰ったほうがいいのかな・・・

・・・いいよね?

「・・・名無し」

え?と振り向くと。
また急に淳がキスをしていた。触れるだけの。

「・・・!」
「・・・あと、10分待ってて。送ってくから。」

・・・え、いいの?という目で見てると、淳が爽やかに笑った。

「大丈夫、監督にも話をきちんと付けていくから。」

いや、そういう問題でも・・・と思ったけど。
せっかくだし、甘えることにした。

その帰り道は、久々にデートしてる気分でとても楽しかった。
やっぱり、淳に会いに行ってよかった。

改めて、すごく好き、そう思えたから・・・。






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・・・えーと、すみません。
これは2321キリ番リクエスト品です。
2321をとって報告をくれた方に差し上げます!

駄菓子菓子!!
これはギャグ!?(笑)
すみません、ただのあまあまかも!!
リクエスト内容は、「松山か三杉のギャグ(甘?)夢」でしたが・・・
これで大丈夫でしょうか!?

リクエストありがとうございます!!

その後のおまけもUPしておきます(笑)

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