DeliciousTime



「今日も勝てて良かったわ。」
「当然よ、だってうちには岬君がいるもの!」

大会の会場に近いホテルのロビーを、ゆかりと一緒に歩いていた。
今日もひと試合終わって、次の試合は明後日みたい。
明後日は準々決勝で、明日その対戦相手が決まるらしいけど・・・

「・・・あ!早苗ちゃん!?」

・・・え?
ぴたりと止まって呼ばれた方向を振り向くと、そこには・・・

「・・・弥生ちゃん!」

弥生ちゃんがいた。そしてその隣には・・・藤沢さん、かな?確かふらの高校の・・・

「びっくりした!早苗ちゃんたちもここのホテルだったのね!!」
「ええ・・・でも弥生ちゃんは地元だし、ホテルでもないんじゃ・・・」
「私、ちょうど今日美子ちゃんに会いに来てたの。」

そういうと弥生ちゃんは藤沢さんの方を見た。藤沢さんも私たちに向かって、にっこりと笑ってくれた。

「・・・やっぱり、色白美人だわ。」
「・・・ゆかり、いきなり失礼よ?」

ついポロっと呟くゆかりをジト目で睨むと、ゆかりもハッとした。

「あ!そうね、ごめんなさい!」
「いえ、そう言ってもらえて嬉しいです。」

そういうと、また藤沢さんはにっこり笑い返してくれた。
・・・おとなしい人だと思ってたけど、案外話しやすいのかも?

「あ!そうだ!!」

急に弥生ちゃんが声を上げたので、私たちはびっくりしてしまった。

「ねえ、二人も今時間ある?」

***

今日これからは特に何もなかった私たちは、弥生ちゃんや藤沢さんと一緒にホテル近くの喫茶店に来ていた。

「嬉しいわ、美子ちゃんだけじゃなくて、早苗ちゃんともこうやって久々に話ができるなんて、それに西本さんともこうやって話すの初めてだし・・・。」

そう言って弥生ちゃんは嬉しそうに笑った。私も、久々に弥生ちゃんに会えて、しかもまさかこんな風に話せるなんて、嬉しい。

「でも、なんで二人は知り合いだったの?」

ゆかりの質問に、弥生ちゃんと藤沢さんは顔を合わせた。
・・・そういえば、確かに。二人は北海道と東京だし、何で仲がいいんだろう?

「・・・淳と松山君のおかげよ」

そういって弥生ちゃんはウインクして、美子ちゃんに相槌を求める。すると美子ちゃんもこくりと頷いた。

「三杉君と弥生ちゃんが前に北海道に来てたことがあって・・・そこで松山君に紹介してもらったの。」
「そういえば、藤沢さんは松山君と付き合ってるんだっけ?」
「う・・・うん。」

ゆかりの言葉に、藤沢さんは恥ずかしそうに顔を赤らめ、頷いた。

「そうそう!松山君ってば、本当に美子ちゃんに一途なんだから!!」
「や、弥生ちゃん!?」
「ね、知ってる?中学3年の時の大会の話。」
「大会の時の・・・?」

私たちは顔を見合わせた。

「まあ、早苗は翼君のことで大変だったしね〜・・・」
「・・・ゆ、ゆかりってば!!」
「そうよね、早苗ちゃんもあの時大変だったもんね〜・・・」

二人がニヤついた顔で私を見てくるから、段々顔が熱くなってきたじゃない・・・それに、まさかこんなところで翼君の話が出るとは思わなかったし・・・
・・・ああ、もう!!

「・・・だから!今は藤沢さんの話でしょ!?」
「・・・な、中沢さん・・・私の話は・・・」
「・・・そうそう!それよ!!松山君ってば!!」

遮る藤沢さんを更に勢いよく遮った弥生ちゃんが、その時の話を熱弁してくれた。思わず私とゆかりは聞き入ってしまった。

でも・・・へえ・・・、あの松山君が、ねえ・・・

「や、弥生ちゃん・・・そろそろ・・・」
「いいな・・・淳もそういう風に思ってくれたら・・・」
「あら、三杉君だって弥生ちゃんのこと一途じゃない。」
「・・・え?」

私がそう言うと、弥生ちゃんが顔を上げて私を見た。

「だって、いつも一緒にいるじゃない。私羨ましいな・・・」
「・・・早苗ちゃん。」
「・・・すぐ帰ってくるわよ。翼君。」

私は翼君のことを思い出してしまった。なんだか、急に会いたくなっちゃう。
やっぱりいつも一緒にいる弥生ちゃんが羨ましいな・・・
そう思ってたら、ゆかりが急にそう言ってきたから、ゆかりの方を見た。

「だって、翼君は日本をサッカーで世界一にするんでしょ?」

ね?と笑ってくれた。
ゆかりの心遣いが嬉しくて、胸が熱くなる。

「・・・私も、こんなに早く会えるとは思ってなかった。」
「藤沢さん・・・?」

急に話し始めた藤沢さんを見ると、穏やかな顔で私の方を見つめていた。

「だから、中沢さんもすぐに会えるわ、きっと。」
「・・・そうそう!あの翼君よ?きっとすぐ帰ってきて、日本を優勝させちゃうわ!」

藤沢さんや弥生ちゃんも、元気づけてくれて・・・すごく嬉しかった。
私の周りには、こんなにたくさんいい仲間がいてくれる。

改めて自分が幸せなんだなって思えた。

***

だいぶ長々と話してしまって、気がついたら9時を越していた。私たちが慌ててホテルへ帰ると・・・

「・・・淳!」
「お帰り、迎えに来たよ。」
「・・・松山君も」
「遅いから探しに行こうかと話してたとこだったんだぜ?」

たく・・・と、でもホッとしたような松山君、それに優しく迎えてくれた三杉君。
本当にこの二人は、彼女たちのことが大好きなんだろうなって、こっちまでなんだか幸せをおすそ分けしてもらった気分で、嬉しかった。

「・・・なんだかんだで、ラブラブよね」

ゆかりがこっそりと耳打ちしてきて、その言葉にも頷けてつい微笑んだ。

「おいおい、こんな時間までどこ行ってたんだよ!?」

その声に振り向くと、石崎君がいた。とたんにゆかりの目が鋭くなった気がした。

「・・・なによ。どこいってたっていいじゃない。ふたり一緒なんだし。」
「まあそうだけどよ・・・その・・・」
「・・・なによ?はっきり言ってみなさいよ?」
「・・・何かあったのかって思って、よ・・・」

そう言って石崎君は頬を掻いてゆかりから目を逸した。ゆかりも、心配してくれていた石崎君に気がついたみたい。何だかちょっぴり顔が赤くなっていた。

なんだかんだ言って、この二人も・・・きっとお互いを大切に想い合ってるんだろうなって、普段からそう思ってた。
だから何だかこっちまで嬉しくなる・・・

・・・けど、そんなみんなを見てたら・・・

・・・翼君に会いたくなってきちゃった。

「・・・早苗ちゃん!」

ふと呼ばれてこっちをみると、岬君が走ってこっちに来た。

「・・・どうしたの?」
「よかった、探してたんだ。今翼君と話してて・・・」
「翼君と!?」

びっくりして大声を上げてしまった。慌てて口を抑えると、私の声に驚いてた岬君が笑っていった。

「・・・うん。早苗ちゃんに替わって欲しいって。」

そう言って岬君が話していた場所まで案内された。

「・・・久しぶり。」
「・・・うん、久しぶりだね。早苗ちゃんは元気だった?」
「・・・あたりまえじゃない。元気よ。」

久々に聞いた翼君の声。嬉しすぎて思わず涙が出てきた。

みんなが幸せそうだから、私も本当におすそ分けしてもらったのかも・・・
そう思って、思わず笑ってしまった。

「・・・早苗ちゃん、どうしたの?」
「・・・ううん、なんでもない。」

「・・・翼君、がんばってね・・・」

「・・・大好きよ。」






―――――――――――――――――――
4123キリ番リクエスト品です!
『マネージャーズのガールズトーク』という内容でした!

というわけで、今回は高校の大会最中、早苗ちゃん、ゆかりちゃん、美子ちゃん、弥生ちゃんに登場してもらい、会話してもらいましたーvv
会話してもらうだけじゃなく、イチャラブも(笑)
そして今回は早苗ちゃん目線にしてみましたv
弥生ちゃんがやっぱり、元気キャラになってるし・・・!!(笑)

リクエストしてくれた葉桐瑞穂様へv
大変遅くなってしまい申し訳ありません!!><
リクエストして下さってありがとうございましたー!!v(`・ω・´)

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