You who influence my eyes



久しぶりのサッカー。久しぶりの合宿。
ようやくフルタイム試合に出られる体になった僕は、全日本合宿へ参加すべく三上監督のテストに合格して、久しぶりに誰かと一緒にチームメイトとしてサッカーができるようになった。
賀茂監督になった途端、7人抜けることとなり、しかもその練習はかなり過酷なものとなった。けれど僕は、それでもサッカーをすることをやめられなかった。きつい練習にも耐えられる心臓になって、正直嬉しさもあった。だから、食事が終わったあとも一人サッカーボールを持ってグランドへと脚を運んでいた。

そうやって、今日も一人でシュート練習をしていると・・・

「お前、何やってんだよ」

松山が急に僕のことを呼んだ。
僕に声をかけると、ズカズカと歩いて僕に近づいてきた。

「・・・そんなんじゃ、疲れ取れないだろ。いつも言ってるじゃねえか・・・」
「だって、楽しいんだもの。」

そう言って僕はまたボールを蹴り出す。松山の方からため息が聞こえてきたけど、聞こえないふりをした。
合宿に参加してから、こういうやり取りを松山と何度も繰り返していた。でも僕はやめない。だって、本当に嬉しいんだ・・・こんなに動いても苦しくない。松山もそんな僕の心をわかっているのか、それ以上は何も言わないでいつも僕の姿を見ていた。

・・・知ってるんだ、本当は松山が僕のことを心配していること。
だって、松山の知っている僕はいつも途中で苦しんで心臓を押さえていたから。だから、不安で僕のことを見張ってるんだと思う。

でも、僕もそれを知ってるからわざと遅くまで練習しているってこと、君は気がついてる?

本当に今が嬉しくて、そして楽しいから練習が止められないのも本音だけど・・・この時間は、この時間だけは君を独占できる。君がずっと僕の姿を見ていてくれる。

だから僕はこの時間が好きなんだ。
君と居られるこの時間が。

「・・・っ!?」

急に松山が僕からボールを奪った。油断してた・・・今までこんなことなかったから。
驚いて松山をみると、黙ってじっとこっちを見つめていた。

「・・・なあ、楽しいのはわかる。わかる、けど・・・」

その瞳が揺らぐのを黙って見ていた。
ねえ、君はなんて言おうとしているんだい?

「・・・でも、不安なんだよ。」
「・・・なにが?」
「また・・・お前が苦しんで倒れるんじゃないかって・・・」

松山の瞳がそらされる。
不謹慎だけど・・・すごく嬉しい。こんなにも心配してくれて、ぼくのこと考えててくれて・・・

ねえ、今だけ・・・君を独占してるって思っていい?

「・・・大丈夫だよ。僕はもう倒れないから。」

そう言って松山に対して微笑むと、また何か言いたそうにこっちを向いた。

「・・・少しは・・・」
「・・・?」
「少しは、俺の身にもなれよ!」

そう言われた瞬間、急に抱きしめられて頭が真っ白になった。

「・・・松・・・」
「・・・もう少し、俺を頼れよ。」

そのまま、きつく抱きしめられる。

・・・だめだ、松山・・・苦しい。心臓が痛くて・・・息ができないよ・・・。
だって、今だって十分に幸せなのに・・・そんなこと言われたら、僕もっと嬉しくなってしまう・・・。

こんなにも、君が好きなんだなって改めて実感する。
だからこそ、もっともっと君を独占したくなる。

・・・こんなわがままな僕は、嫌われるかな?

「・・・じゃあ、キスしてくれたら、練習やめる。」
「・・・そんなんで、満足するのか?」

急に額に額をつけられ、真正面から松山が僕のことを見てきた。その鋭い瞳は、僕のすべてを見透かしてそうで・・・ドキリと心臓が音を立てる。

「・・・うん、満足だよ。」
「・・・嘘つけ」

そう言って僕の唇に優しく口づけする君は、卑怯だ。君から言って欲しいのに・・・いつも言ってくれないじゃないか。

「・・・満足?」

そう言われもう一度じっと見つめられ、僕の鼓動が段々早くなる。

(・・・卑怯だ。)

そんな瞳で見つめられると、満足なんて言えなくなってしまう。
もっと、君が欲しいんだ。

そう思いながら、恥ずかしくなって俯きながら首を振る。
そうしたら、君が僕の体をもう一度引き寄せて、今度は深く口づけを落とした。

広いグランドでたった二人。
でも僕の目にはもう、君しかうつってなくて・・・

ボールを片付けていなかったな・・・なんて、そんなことも忘れていた。






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6666キリ番リクエスト品です!
『ラブラブな松淳』という内容でした!

あれ〜?当初思っていたのと違う・・・
というか、松山が誰?これ?ていう感じになってます(笑)
ちょっとへたれ攻めにしようと思ったのに・・・
三杉君がとても翻弄されてるよ!!
わああ!!!すみません・・・(´・ω・`)

リクエストしてくれた「2012.08.09 Thu 23:19」にコメントを下さった方様へv
リクエストして下さってありがとうございましたーv(´∀`*)

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