ソフトクリームより甘い罰



※一応R15ですので、観覧にご注意ください。









「やっぱり東京で食べるのより、一味違うよね。」

そう言って、先ほど買った牧場直営のソフトクリームを口にする。その表情は笑顔があふれていた。
三杉はリーグ戦の次の日、チームメイトとは別行動をとって松山と会っていた。昨日は札幌で松山がいるチームとの対決、そして結果は1−0と三杉がいるFC東京が勝利を収めた。そのことがあり、昨日は上機嫌で相手チームであった松山に連絡して、今日を一緒に過ごしていた。
確かに今日は久しぶりに三杉が北海道に来るということで、松山はどこか案内するという約束になって、車を出していた。でも、実際は昨日自分が勝負して負けた相手チームのメンバー。しかも終始上機嫌と来たら・・・なんとなく松山は面白くなかった。そのせいか、自然と眉間にシワがよっている。

「松山?ソフトクリーム嫌いだったっけ?」

不機嫌そうにソフトクリームを食べている松山に気がつき、三杉は首を傾げた。そんな三杉に対して複雑に思い、顔を背ける。

「・・・なんでもねーよ。」

三杉が悪いわけじゃねえ、俺が気分切り替えればいいだけなのに・・・と松山はそう思っていた。だけど、他は負けてもサッカーだけは負けたくなかった松山にとって、昨日の試合結果はとても悔しく思っていた。だから気持ちが割り切れなくて・・・
三杉もそんな松山に気がついていた。でも結局会うことは前から決まっていたこと、それに勝負をするのだから、どちらかが勝って、もう片方が負けることはもう明白であった。それに・・・三杉はこの日を待ち望んでいたのだから。

三杉と松山はお互い日本代表として世界で戦い抜いてきた仲であり、思いを交し合った仲でもあった。でもお互いの住んでいる場所や所属するチームは北海道と東京・・・と結構距離がある。なのでこうやって二人きりでのんびりと会える日は1年の中で限られていた。だからそんなせっかくの機会を逃したくない・・・そう思っていたのだが。

とにかく、松山の意識をサッカーから自分へと戻したい。いつもはあんなにサッカーばかり追っている自分が、今はサッカーに嫉妬しているなんて・・・そう思い、自分に対して苦笑した。

「・・・なんだよ?」

その苦笑した声が、自分を馬鹿にした笑いかのように思った松山は、三杉の方を睨もうとして振りかえった。すると、三杉の顔が間近に接近していたことに気づく。

「・・・な、な・・・っ!?」

慌てて体を引く。でも三杉はそれを逃さなかった。松山の腕をそっと自分の方に引き寄せた。
その瞬間。

―――ベチャ。

(・・・ベチャ?)
(・・・冷たい?)

二人は何が起こったか瞬時に把握できなかった。三杉がよく松山の方を見ると・・・松山が持っていたソフトクリームが、三杉が引き寄せた反動で松山自身の頬にべっとりとくっついていた。

「・・・あ・・・」

松山もそのことに気がついた。

「・・・お、俺のソフトー!!?」

松山はソフトをみて、自分の頬にくっついた部分だけ減っているのに気がつき、ショックを受けていた。

「お前・・・!どうしてくれんだよ!?」
「ま、まあまあ・・・ごめんって、松山・・・」
「ごめんじゃすまねえよ!?」

そんなにこのソフトが好きなのか・・・物凄く怒っている松山をみて、三杉は苦笑していた。
でも、三杉も段々とそんな松山の態度にイライラしてきていた。せっかく自分と会っているのに、サッカーの次はソフト・・・自分が一緒に過ごしているのに、ちっとも自分のことを見ようともしない。
もうそろそろ自分と過ごしているんだということを認識して貰わないと・・・三杉はそう思い、まだ怒っている松山の顔に顔を寄せた。

「・・・っ!?」

そして、頬についたソフトをペロリと舐めた。

「・・・み、す・・・っ!?」

驚いた松山は、今まで自分が怒っていたことすら忘れて目を見開いた。その間にも、三杉が松山の頬に着いたソフトを綺麗に舐め取っていた。

「ちょ・・・っ、恥ずかしいからやめ・・・っっ」

三杉の体を押し離そうとするが、三杉が松山の腰に片手を添えて引き寄せた。そして顎をそっと持ち上げ、頬を舐めていた三杉の唇が松山の唇を塞いだ。
離したと思えば、また口づけ、それを何度も何度も・・・久しぶりに味わう松山の口唇。三杉はそれを堪能していた。
そして、何度か口づけして薄く開かれた口に舌を侵入させる。

「・・・や、ん・・・ふ・・・っ」

三杉の手は顎から松山の後頭部へと回り、しっかりと固定していた。そのまま口づけを深くしていく。
絡み合う舌、熱い口内、口端から漏れる吐息。
次第に松山の体から力が抜けていき、自然と三杉へと体を預けていった。三杉は松山の腰に回した手をスっと滑らせた。

「・・・っ・・ん・・」

それだけで松山の体はピクリと震えた。
そっと三杉は唇を離すと、お互いの間を銀色の糸が渡る。三杉は舌舐めずりして松山を見た。松山は三杉からの口づけですでに意識が朦朧としていた。そんな松山の耳元で、そっと囁く。

「・・・松山の口はソフトクリームより甘いね」
「・・・っ」

三杉に預けていた松山の体がまた震えた。そして力を入れ、また三杉から体を離そうとする。でも三杉が腰に手をまわしてしっかりと離さないようにしていた。

「みす、ぎ・・・っここ・・・他の人もいるし・・・っ」
「・・・ダメ」
「・・・な!?」
「せっかく今日デートしてたっていうのに、僕を見ていなかった罰だからね。」

そう言って三杉は松山に向かって微笑んだ。「うっ」とその顔を見て松山はたじろぐ。

「・・・そうだなぁ、松山から”好き”って言ってくれたら、離してあげようかな?」
「〜〜〜っ!」

面白おかしく三杉は松山に向かってそう言うと、松山は顔を赤面させて唸り始めた。でも暫くしたあと、観念したかの様にそっと呟く。2文字の言葉を。
それを聞いた三杉は嬉しそうに、もう一度その体を抱きしめてそっと触れるだけのキスをした。


二人のソフトクリームは、地面に落ちてもう既に溶けていた。






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7000キリ番リクエスト品です!
『ラブラブな淳松』という内容でした!

久々に淳松という淳松を書いた気がしますが・・・気のせいでしょうか?(笑)
やっぱり淳松の淳様はSっ気になってしまう!!
いいのか・・・?
というか、ぶっちゃけいろいろツッコミどころありますが・・・
久々に地元の○○高原ソフトクリーム食べたくなりました(笑)

リクエストしてくれたsnow様へv
淳様Sにしてしまいすみません!!
リクエストして下さってありがとうございましたー♪(n‘∀‘)η

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