Beast



もみの木*

(ゾロ×ちびルフィ)


クリスマスがやってくる
鈴の音を響かせて
雪と共にやってくる




「ゾロっ!ゆきっ、ゆきっ」
とソファーの上でピョンピョンと跳ねるルフィを抱き上げ、ホントだな、と微笑む。

今年は久々のホワイトクリスマス。部屋にはルフィと飾り付けたきらきらのクリスマスツリー。窓の外は一面の銀世界。

「ゆきだるさん、つくっていい?」
と甘えた声で擦り寄られれば、仕方ないな、と相手の髪を撫でた。
赤チェックのモコモコジャンパーに、黄色いマフラーを巻いてやる。手には、無くさないようにと紐付きの、おさるのミトンを嵌めて。嬉しげに笑う小さな鼻先にキスをして、ふわふわの耳当てをつけてやる。






ストーブの火が、二人の体を温めて。飲み終えたココアのカップから甘い甘い香りが漏れた。
腕の中で眠る可愛いルフィの寝顔を見つめ、そっと髪を撫でてやる。そんな幸せだけで何故か泣きそうになって……


「酒…なぁ…」
と小さく呟き苦笑すれば、小さな額にたまらずキスをする。
「自分のほしい物…って言ってんのにな…」





真っ白な雪の中に飛び込んで、楽しげに笑うルフィを手招きすれば、小さな体が胸の中に飛び込んできて。
「なに?寂しがりやか?ゾロ…」
とクスクス笑い、俺を見上げてくる。


「あのさ、ルフィ…」
と優しく大きな瞳を見つめて…

「サンタさんに今年は何をもらうんだ?ルフィは何がほしいんだ?」

少しでもルフィの欲するものを与えてやりたくて訊いてみる。でも、だいたい検討はついているのだ。きっと、この前おもちゃ屋で見た、大きなクマのぬいぐるみかチョッパーマンのマントだろう。ルフィのことだから、ふたつとも欲しい、なんて言い出すかもしれない。
そう考えてクスリと笑い相手を見つめて、もう一度質問。

「なぁ…ルフィは何がほしい?」


真っ黒な瞳が俺を射て、答えた言葉はあまりにも…




「おさけ、ほしい!」
とニィと笑ったルフィがあまりにも愛らしくて…
「でねっゾロにあげんの。」
涙がでそうになって…

「だって、いつもサンタさん、おれにしかプレゼント…くれないんだもん…」

ペタペタと雪を叩く小さな腕を取って、ぎゅっと握る。あまりにも幸せすぎて…
あまりにも愛しすぎて……






夜中の寝室。隣に眠る小さな天使の枕元には、大きな大きな包み紙。そしてそして…



もみの木のような髪を揺らして、サンタさんが枕元にウィスキーを添えて…




Merry X'mas…
愛しい人よ










/もみの木に飾りを着けて、その下にたくさんプレゼントを並べて…はじめましょう、最後の晩餐を。
2010/12/25




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