あつい夜*
(新婚設定)
すきだと囁く声が
耳に響いて
あぁ心臓が飛び出してしまいそう!
梅雨の時季、昼間は雨がザーザー降るくせに、夜はムシムシと蒸し暑い。
そんな夜、お風呂上がりにキンキンに冷やした寝室で、ベットにダイブ!なんて、なんて贅沢!
髪から落ちる滴を、首にかけたタオルで受けて。ルフィが寝室に走って向かう。
バスタイムの前に、きちんと寝室のクーラーを入れて、枕元にはペットボトルのスポーツ飲料。すっかり火照った体をベットにうずめ、メールなんか打ちながら、ゾロの帰りを待つのだ。
「暑い!暑い!」
と寝室の扉をバッと開けて、スーと漏れる冷気にニンマリしながら、電気も着けずにベットにダイブ!
と、
「…ッ!!」
飛び込んだベットに固い感触。パチリとベットサイドの電気が着けば、そこには…
「ただいま、ルフィ。」
と愛おしげに名前を呼んでくれる、大好きなゾロ。
「な、なんでゾロ帰ってんの?」
と慌ててゾロから降りようとする、ルフィの手を引いて、ゾロが楽しげにクスリと笑う。
「いや、早く仕事終わって帰ってきたんだが、ルフィ風呂入ってんし…とりあえず涼しい寝室で寝とこうかと思ってな。」
大きなゾロの手が、まだ水気を帯びた黒髪を撫で、悪戯っぽく柔らかな唇にキスすれば…
「そしたら、可愛い奥さんが飛んできたってわけ。」
ルフィの顔は、熟れたトマトみたいに真っ赤っか。
「だ、て…まだ会社だと、思ったんだもん…」
と小さな声で呟いて、必死にゾロの胸に顔を押しつけて瞳を逸らす。
「可愛い…」
と小さく呟いて、相手をしっかり抱き締めて。
「俺が風呂あがるまでに、体冷やしとけよ?」
と相手の髪をタオルで、くしゃりと拭いてやり
「後で、俺が温めなおしてやるから。」
とニッとふざけて笑うゾロに、ルフィの耳が赤く色付く。
あぁ、折角今夜はひんやりベットで寝る計画だったのに…
貴方のせいで、丸潰れ!
/こんなに、あつい夜は久しぶり。ね、お願いキスをして?
2010/06/30
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