Beast



甘い下剋上


ふわりと香る温かな体温越しに
意地悪な笑顔がみえて……




いつもはからかわれ役だから今日ぐらいは、とルフィが、眠っているゾロにゆっくりゆっくり近付いて。


眠っているゾロをそっと抱き締める。

そして…


温かい寝息を漏らす唇に、食らいつけば、そのまま相手のシャツを捲って……

生暖かな液体を割れた腹筋に滴らせ…


「んッ?」
驚いて瞳を開けた、ゾロの両手を押さえて、腹に垂らした甘い甘いチョコレートを見つめて…

チロチロと舐め始める。


「ちょ…何するんだっ!ルフィっ」
焦るゾロの腕は押さえられたままで…
愛らしいルフィの舌から逃れられなくて…

ゾロが…
ゾロが悪いんだ!

せっかくのバレンタインデーだというのに
朝からずーっと寝てばかり……

どうせ
鈍感なゾロはバレンタインデーなんて
覚えていないのだろうけれど……

それでも「すき」がたくさん欲しくて…




ゆっくりと柔らかな舌で、脇腹を擽って、綺麗な腹筋の溝をネットリなぞる。

甘ったるいチョコレートの香りが、口いっぱいに広がって……

チョコレートに含まれていたアルコールと、愛しい相手の香りに包まれ、頭がクラクラする。


まるで、雲の上にいるように体が軽くなって…

ふわふわと体の力が抜けて…






「で、何してるんだ?俺の可愛いルフィ。」

いきなり視界がグルンと回って。
答えようにも、優しい唇が降ってきて…

チロリと出していた舌ごと食べられて。


ぎゅーっと抱き付けば、相手の舌が真っ赤な口内へと伸びて…






「愛してる。」

そう呟かれて、チョコレート塗れの体に、大きな舌が這って……

「やっ…ゾロ、もう…」
やだ、と告げようとする唇にチョコレートポンポンが詰められる。

もう随分酔っているというのに…


「た、すけ…ふむっ」
助けを求めれば、そっとキスされて…
口内のチョコレートを、舌で弄ばれて…




意地悪なんてしなきゃよかった。
結局、喰べられちゃうんだからっ!








安心出来る体温に包まれれば
ベタつく体のままベットに運ばれて…

「シャワーを浴びたい」と呟けば…
甘い甘い悪戯っぽい笑みが返され…

「今日ぐらい、いいだろ?」


その言葉に、きっと頷く自分がいるのだ。








/あぁ油断しないで?いつでも、狙っているんだから。甘い下克上を…
2010/02/13
(カルぴン様「LZからのZ野獣復活」)




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