Beast



始まる想い


手を伸ばせば
すぐに届くのに。

やっぱり……

すごくドキドキするの。






「すきだ」
と微笑むルフィは、そっとお昼寝中のゾロの髪を撫でる。

「ホントに…すき、なんだ」

初めはよくわからなかった、膨らみ始めた心。

今ならわかる。
これが"恋"というものなのだ。


「おれは…その…まだ、ゾロに…言う資格なんて、ない…から」
ルフィの小さな拳がぎゅっと力んで。


面と向かって言えるほど
おれはまだまだ強くないから


「だから……寝てる、時…だけ……でも…」




そっと甘い香りを纏ったの体が、眠っているゾロへと重なって……

ぎゅっと瞑った瞳では、愛しい人の大好きな顔が見えないのだけれど……
恥ずかしいから仕方ない。


ふっくら尖らせた、さくらんぼ色の唇が、そおっとそおっとゾロへと近付いて…






パタパタと駆ける足音が遠のけば、やれやれと溜め息を着く。

「起きてるぞ、馬鹿。」


そう呟くゾロの耳だって真っ赤で……

あぁ俺も知ってしまったのかもしれない……

なんて…
静かに笑って……


愛しい背中を追いかけた。






「すきだ」と気付いた瞬間が
恋の始まりで……

「すきだ」と呟いた瞬間が
愛の始まりで……

じゃあ……

「すきだ」とキスした瞬間に
おれは何を見つけるのだろう?



なんて…
空を見上げれば……




試してみるか?と
温かい声が耳元で響いて…




その瞬間……




「ふたり」が始まった気がした。











/始まる想いは永遠に。
2010/02/07
(のら猫様「甘酸っぱいZL」)




*

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