ストーブ*
(新婚さん設定)
あったかポカポカ…
コンロにかけた赤色お鍋の中で、ぽこぽこ沸騰するミルクを火からそっと降ろせば、クリスマスカラーのペアカップにそっと注ぎ……
毛布にくるまり、ストーブの前で小さくなっているルフィの隣に押し退けるように割り込めば、ぷぅと頬が膨れ甘く愛らしい声が響き……
「ゾロっ…寒いからおれの特等席とらないでっ」
もそもそ動き、必死に俺を退けようとする、小さな体を簡単に抱き上げれば、俺はクスリと笑って愛しい人を膝に座せ…
「これで尻も暖かいだろ?」
とホットミルクを渡してやる。
どうやら今日はルフィにとって、とってもつまらない日曜日らしい。
せっかく2人で出掛けようにも外は冷たい雨。新しく買ったコートもこの間のデートの最中にどこかに忘れてきてしまうし、外出には息苦しいマスクが必須で。
その上、ルフィの大好きな雪は、全く降ってくれないのだ。
そんなわけで、ルフィはご機嫌斜めの毛布お化けに早変わり。
甘いホットミルクに、少し機嫌を取り戻したルフィの腰を抱き締め、ゆっくりとストーブに当たる。
「暖かいな…。」
とぼんやりと小さく問えば
「うん。」
と尖らせた唇からぽつりと返ってくる可愛い返事。
俺にとってみれば機嫌が悪かろうが、何だろうが、ルフィと過ごす時間が一番幸せで……
「なぁ、その尖った唇にキスしてやろうか?」
と悪戯っぽく耳元で囁いてみれば、形の良い小さな耳が真っ赤になって………
少しの戸惑いの後、確かにコクンと恥ずかしそうに髪が揺れ……
向かい合うように座り直ったルフィを優しく抱き締め、ゆっくりと唇に触れ……
熱いほどに感じるストーブの火に照らされ、少し冷たい相手の唇に自らの熱を与えて……
明日は雪が降りますように…
なんて願いながら
ストーブの前で2人会議。
議題はもちろん……
「雪だるまの設計案」。
/ストーブに当たって、凍えた心を温めて……
2009/11/28
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