リボン*
(新婚さん設定)
貴方のために
たくさんたくさん練習したの…
「ただいま。」
と玄関に入れば、いつも通り可愛いハニーがお出迎え。
「おかえりなさいっ!」
と輝く笑顔に、普段と違って今日は愛らしいリボンが揺れた……
リビングに進めば、あちらこちらに蝶々の形をした色鮮やかなリボンが咲いていて、愛しい愛しい奥さんの細い手足にもたくさんのリボンが巻かれている…
「今日はリボンの日か?」
ふわふわと揺れるリボンの先のルフィにゾロが優しく尋ねる。
振り返る、愛しの人の笑顔は温かで……
「違うよ、今日は……」
柔らかな唇が自らのそれに触れ…
耳元で囁くバースデーケーキより甘い声…
「一年で一番幸せな日。」
ニッコリと笑った頬が桃色に色付いて…
「今日はゾロが生まれた大切な日だから、お祝いしたくって。…でも、どうしたらいいかわかんなくて、ナミとかサンジに相談したら、ゾロに"おれが一番好きな物"にリボンを付けてあげるばいい、って。で、な…いっぱいいっぱい考えて……」
と顔を真っ赤にして、ゾロを見つめるルフィは、涙が零れそうなほど魅力的で……
「おれは、ゾロとの毎日が何よりも大好きだから。」
と静かにゾロの胸に小さな頭が寄せられて……
「やかんにも、マグカップにも…リモコンにも、クローゼットの取っ手だって……全部、全部…ゾロとの生活が大好きだから…リボンを付けたんだっ」
甘く、いつもより少し高い声がリビングに響き、熱っぽい視線が深緑の瞳をジッと覗いて………
「だから……」
うっとりするほど整った小さな顔が、静かに微笑んで……
おめでとう。
おれの大好きなゾロ……
貴方との生活が大好きで……
「おめでとう」と
「これからもよろしく」を
詰め込んで………
一生懸命結んだの…
/貴方の元に飛んでいけ、とリボンの蝶を飛ばして……
2009/11/09
(ゾロ愛強化週間フリー小説)
2009/11/15
(配布終了)
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