Beast



洗濯日和


ふわふわふわ

白い泡の真ん中で……




キラキラと太陽が輝く、今日は洗濯日和。

甲板にはモクモクと泡の山。
びしょ濡れの甲板に寝転がり、いつものように、あの居眠り剣士は今日もお昼寝。

「ゾロー!洗濯するぞー!」
パタパタと聞こえる足音と可愛い可愛い船長の声が近付いてくる。

「なぁー!ゾロー……わっ!!」

近くで小さな悲鳴が聞こえ、ツルリと足を滑らせたルフィが床へと倒れ込む。


ばふっ……


「………ゾ、ロ…」
真っ黒な瞳がじっと、目の前の整った顔を見つめる。

「大丈夫か?ルフィ…」

ルフィが倒れ込んだのは、温かなゾロの腕の中。

「気を付けろよ?甲板滑んだろ。」
ゾロがそっとルフィを抱き締める。

「ありがと、ゾロ。」
しっかりとした首筋に顔をうずめ、ルフィは小さく笑う。






「ゾロ、お日様の匂いがする。」
洗濯バサミで真っ白なタオルを干すゾロの背中で、ルフィが呟く。

「おれの大好きな匂い。」


背中で笑う愛しい人が可愛くて…


「じゃあ…」

腰に回された細い腕を掴んで、そっと自分から離させる。
そして、しっかりと見つめ合ってから、ぎゅっと抱き締めた。

「ルフィはどんな匂いかな?」

なんて、黒髪に顔をうずめてくるゾロは、悪戯っぽく笑っていて。




「どんな、匂い?」
ルフィがゾロの首筋にちゅっとキスをし、顔をしっかりとした胸へと押し付ける。

「ゾロの好きな匂い?」
少し心配そうに囁く声も可愛くて、甘い愛に酔ってしまいそうだと、ゾロは小さく微笑んだ。


そして…………






「ルフィの匂いがする…」
ルフィの瞳を覗き込んで…


「俺の大好きな匂い。」

2人の視線が絡み合い、そして……






ふわりと舞ったシーツの向こうで、ふたつの影が繋がって………


シャボンを纏った風が止めば、そこには、真っ白なシーツから覗く、真っ赤な可愛い恋人の顔。




あぁ、こんな日常が幸せで………










/ふわふわと揺れる貴方のシャツに抱き付いて、洗濯日和ね、なんて笑うの。
09/02/25


*

[ 40/99 ]

[prev] [next]

Back



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -