Beast



すき


すき?
すき!
すき。
すき…


すき






そっと唇が離れて…


「好きだよ…ルフィ」

ゾロが愛おしそうにルフィの頬をなでる。

「なぁ…ゾロ…?」

真っ黒な瞳がゾロを映して…



「なんで、たった2文字なの?」



ルフィはゾロの首筋に顔をうずめる。

「こんなに短くちゃ、すきだって伝えきれない。全然足りない…」


ゾロの背中に回された手がぎゅっと2人を引きつける。


「もっと、ちゃんと、すきだって伝えたいのに…」




ゾロが優しくルフィの背中をなで

「今、不安か?」

と耳元で、いつもの深い、低い声で尋ねる。


「ん…?」

ルフィが不思議そうに小さく呟く。
「ふ、あん…?」




ゾロがルフィの細い肩に手をかけ、そっと体を離す。

「じゃあ…」

と一言呟いて……


優しく、きらきらと輝く黒髪を撫で、ルフィの額にキスを落とす。



ゾロがにっと笑い、不意打ちのキスに顔を赤らめるルフィに、もう一度問う。

「不安だなんて…感じねぇだろ?」


ルフィは答えず、深い瞳でゾロを見つめる。


その目があんまり綺麗だから…


ゾロも優しい視線をルフィに注ぐ…






ゾロはルフィの柔らかな頬に手を添え、甘い声で囁く。

「背中を撫でて、キスするだけで、俺の愛がわかるだろう?」




そして…

「"すき"なんて言葉がなくたって、愛は伝わるから…」




ゾロを見つめるルフィはクスリと笑って…


「だから2文字なの?」


とゾロの首に腕を回す。








「なぁ"すき"って逆に言ってみて…?」

ゾロがルフィを見つめる。

ルフィは不思議そうに小首を傾げ、言われたように素直に呟く。




「き、す…?」




「了解。」

ゾロがニヤリと笑ってルフィを押し倒す。

「ちょっ…ゾロっ?」
ルフィは驚いたように瞳を見開きゾロを見上げる。

そして、自分を見下ろす整った顔を見、頬を赤く染める。


ゾロは小さな可愛い恋人を見、
「お前が"キス"ってねだるから…」
と意地悪をして言う。


ルフィが顔を真っ赤にさせて、わざとらしく唇を尖らせる。
「確信犯っ」


ゾロはルフィの拗ねた顔を見、ふっと静かに笑い…

「だって…」

と、温かい声で呟く。



「だって、俺もルフィのこと、愛してるから…」



ゾロの親指がそっとルフィの唇を撫でる。

「"すき"だけじゃ足りねぇから…」

ゾロの顔がルフィへとゆっくりと落ちていく…



そのキスは甘くて、優しくて……

確かに"すき"が伝わって

頭の中を痺れさせる………




ゾロの唇が名残惜しげに離れると……


「ゾロ…」

ルフィの愛らしい声がゾロを呼ぶ…




「ゾロ…すきだから、いっぱい、キスして?」

ルフィの甘ったるい息がゾロの顔へと当たる。


「もっともっと、"すき"を伝えて…?」




ルフィの瞳は微かに潤んでいて…

ゾロの唇は確かに…

しっかりとルフィを捕らえて…








もし…

世界に"すき"という言葉がなくったって…

俺はお前に気持ちを伝えられる自信がある…


だって、これだけ愛して……





伝わらないなんて、ありえねぇから……









/すき、すき、すき。だからキスして?
09/01/13
(アキラ様「甘々ゾロル」)


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