Beast



腹巻き


キラキラ光る星と

可愛い君と……




「なぁ、ゾロぉ…」
とルフィが瞳を擦り、とても眠そうに欠伸をする。
「一緒に寝よう?」


今日は遊び疲れたのか、早めの就寝願い。

「ちょっと待ってろよ?」
とゾロはルフィの頭を優しく撫でると
「風呂入ってくんから…」
とルフィの顔を覗き込む。


ルフィはまた欠伸をしながら
「うん…」
と頷くと
「待ってる…」
ゾロのベットへ向かい、ばふっと座る。

その様子を見ていたゾロが、何かに気付いたのか、ルフィに近づき
「さっき、何か飲んだ?」
と尋ねる。

「うん、ココア…」
ルフィはベットの上で崩した三角座り。

ゾロはルフィのパジャマの胸元をさし
「ここ、ココアついてるぞ?」
と笑う。

「俺が風呂上がるまでに着替えとけ、な?」
と眠そうなルフィのために、パジャマのボタンを丁寧に外してやる。
「そのまま寝ちゃ駄目だぞ?」
とルフィの頬を優しくなで、ちゅっと額にキスを落とす。

「うん…」


ベットの上にルフィを置いて、ゾロは急いで、浴室へ……




脱衣所に入り、パチンと電気をつける…

「…?」

もう一度…

何度カチカチ切り替えてみても、部屋は暗闇のまま。


「そういえば……」

ゾロは先程、ナミと交わした会話を思い出す。


「脱衣場のライトの調子が良くないから、変えといてくれる?」


あぁ…あれか……


その時やっておけば良かったのだが、ルフィに呼ばれ相手をしているうちに、そのまま忘れていたのだ。

「チッ…面倒くせぇな…」
とぶつぶつ文句を言いながら、倉庫に替えを取りに向かう。


しかし、目当ての品が一向に見つからない…

木箱を開けては退け、開けては退け……







やっと、ゾロが風呂から上がったのは、数時間後…


「もう寝てるだろうな…」
と部屋の扉をそっと開く。


静かな寝息が聞こえる…


ゾロがそっとベットを覗くと、丸くなって眠る可愛い恋人……


ゾロが言ったように、きちんと着替えをすませて、柔らかな唇から暖かな息を吐く。

ゾロはルフィの寝顔を見、微笑む。

「ん?」

よく見るとルフィが着ているのは、何か見覚えのある服で……

「俺の…?」


ルフィが着ている服は、確かにゾロのもの。
引き出しになおしてあったはずなのだが……


引き出しを見ると明らかに荒らした後。

「しょうがねぇな…」
と気持ちよさそうに眠る愛しい人を見、嬉しそうに苦笑する。


「んんっ」
ルフィがころんと寝返りをうつ。

「…なんだ?」
ふと気付けば、ルフィがぎゅっと何かを握っていて…

丸まっている体を少し動かし、ルフィの手に握られた物を見る。

それは……

ゾロの緑の腹巻きで……

ぎゅっと掴んで離そうとしない。


「…可愛い奴。」
ゾロはふっと笑い、ルフィを抱き上げる。


そして一緒に布団の中へ……


「腹巻きは、今日だけ特別だぞ?」
とゾロはルフィの鼻の頭に口付けし、優しく髪を撫でてやる。








お前が俺の物を握りしめるなら
俺はお前を抱きしめる…

お前が俺を想い寝るのなら……………




もちろん、俺もお前と夢で………









/腹巻きに嫉妬するなんて…。でも貴方のお腹を一晩中抱きしめてるんだもの!ずるい!
09/01/10


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